建物の足元:基礎と建物の関係
建物設計していると「足元」に意識が向くことが多々あります
基礎工事やそのデザインは、建物全体を支える大切な部分でありながら
一般の人はあまり気にすることのない部分です
でも足元の違いを見ていくと、時代ごとの住まいのあり方や価値観が浮かび上がってきて、とても興味深い
例えば、古民家の足元はどうなっているかご存知ですか?
柱が直接石の上に建っているんです
草履や下駄を履いているような軽やかさがあり、風通しの良さや周囲の自然との調和が感じられますよね
戦後の住宅になると、柱はコンクリートの基礎の上に建つようになります
ちょうど小学校の標準靴を履いているような感覚でしょうか
しっかりと支えられてはいるけれど、どこかシンプルで無駄のない作りです
そして今の家は,耐震基準を満たすため、コンクリートの基礎が非常にしっかりとしたものになっています
予算の大部分を基礎に割いている家も少なくありません
安全のための「オーバースペック基礎」は、まるで安全靴のよう
しっかりとした安心感はあるものの、少し重々しく感じることもあります
そんな足元を見ていると、足元にもデザインの力を感じることがあります
この写真に映っている足元の部分、何とも素敵だと思いませんか?
ただ建物を支えるだけではなく、その存在自体が空間に美しさや軽やかさをもたらしています
建物の足元を靴に例えると、過去から現在に至るまでの家づくりの変遷が見えてきます
安全や快適さを追求する中で、私たちがどんな住まいを理想としているのか、そのヒントが足元に隠れているのかもしれません
住まいづくりを考えるとき、足元をデザインの視点から眺めてみるのも面白いですよ
これからの家づくりでは、機能性と美しさの両方を備えた「軽やかで心地よい足元」を意識していきたいものです