土門拳記念館 :酒田市― 空間と写真に向き合う

土門拳記念館 ― 空間と写真に向き合う
「好きな建築は?」と聞かれたら 迷わず 土門拳記念館 と答えていました
フィンランドのアアルト設計によるイマトラの教会 を見に行くまでは
この夏、再び 酒田 を訪れ、あの空間をもう一度体験することにしました
前回訪れたのは、大学四年生になる前の春休み
建築の詳細を深く理解していたわけではなく、空間構成 だけを追いかけていた時期でした
それでも、その体験は鮮明に思い出せます
大学生の私は記念館の空間のつくりが、土門拳さんの写真との向き合い方 を表しているように感じられ
「空間づくりとは、こういうものなのか」と、強く感動したのを覚えています
今回の展示は、さまざまな 手 の写真でした
前回訪れたときの展示内容は異なりましたが、帰りに 手の写真集 を買っていたことを思い出しました
それすら忘れていたのに
後になって 事務所の名前を決めるときに思い浮かんだのが “レフトハンズ”
時間が重なり合い、記憶がつながっていく
土門拳記念館は、自分にとって特別な場所になりました
そして、やはり 好きな建物では、ただ座っているだけで満たされる ものです