もう一度読もう ロビンソン・クルーソー

『ロビンソン・クルーソー』(デフォー著)
私が子供時代に読んだ本の中で、特に心に残っている一冊
先日、友人と一緒に丹波篠山の街を散策していたときのことです。妻入り(つまいり)の街並みについて説明していたら、友人がつぶやきました「この街並み、まるで『赤毛のアン』の家みたいだわ」と。その言葉に一瞬驚いてしまい、「???」という反応をしてしまいました。実は、彼女は図書館の本をほとんど全部読んだと言えるほどの大の読書家。そんな彼女に比べると、私は大学生になるまで読書にほとんど興味を持たず、本の世界に触れていませんでした。
その私が初めて夢中になったのが『ロビンソン・クルーソー』でした
この本は、主人公が孤島に流れ着いて、自分で住む場所を選び、住居を作り出していく物語です。人間が自分の力で生活の基盤を築いていく過程が、まるで目の前で繰り広げられているようで、次々のページをめくったことを今でも覚えています。そのとき読んだのは、子供向けにアレンジされた簡易版でしたが、それでも内容の魅力に圧倒されました。
この物語を通じて私が学んだのは、誰もが自分の居場所や暮らしを自らの力で作りたいという本能的な願望を持っているのではないか、ということです。それ以来、この考えが私の中にあり続けます。そして今では、それぞれの人が自分の思いや夢を明確にし、それを形にするお手伝いをすることが、私自身の仕事なのだと考えるようになりました。