設計者の紹介文をいただきました
レフトハンズ25周年を迎えたその日に着工した現場は
事務所開設当初に仕事で米子に通っていた時
知り合った友達の家の改築でした
これも何かの縁と言うことで彼女にお祝いに紹介文をお願いしました
頼んでおいて渡された文章を読むのにドキドキ
自分を文章にしてもらったのはじめてだったので
ねぎもとあやこ紹介文

生活と仕事はぐるっと一つながりで旅もまたその一部。
日々積み重ねる「選択(えらぶ)」と「見聞(うごく)」の
一つ一つが設計と循環しているような人。
きちんと遊んできちんと眠ってきちんと食べてきちんと仕事している感じがする。
暮らしを大切にしているから住むところのことも仕事するところのことも相談しやすい。
しばしば、 「なんでもいい、ってことはないよね。」と言うけれど、
その言葉によって「本当はなんでもいいってことではないはずだ!」
ということに気づかされ、ありがたい。
「建築設計 LEFT HANDS」の名の通り左利きの頼れる設計士だ。
その作品は温かみがあって優しい。
2024.11.吉日
2024/12/03
建築確認と検査済証の重要性を理解しよう

市街地で新築の建物を建てるときや、改装を行うとき
建築確認申請が必要だということをご存知でしょうか?
建築主(施主)は、役所や指定確認検査機関にこの申請を提出しなければならない決まりになっています
そして私たち建築士は、この申請の代行(代願)を行う立場にあります
ただし、建築確認申請を提出するだけで終わりではありません
その申請内容通りに建物が建てられているかどうか、最終的に検査済証を取得する必要があります
この検査済証がなければ、その建物は違法建築物と見なされる可能性があるのです
たとえば、私の実家を改装したときのことを振り返ると
建築確認済証は発行されていましたが検査済証は取得されていませんでした
当時の流れなのか、施工を請け負った会社である太平住宅さんが審査を受けていなかったのです
しかし問題はこれが施主にしっかり説明されていなかったこと
「なぜ検査済証がないのか?」という疑問が、当時は提起されることもありませんでした

この問題は一昔前には頻繁に見られた状況でした
特に、昭和25年に建築基準法が制定されて以降、検査済証の取得は義務付けられていましたが
工務店や建築士が施主からの特別な要求がない場合、これを曖昧に処理してしまうケースが散見されました
その背景には手続きが面倒であったり、費用がかかったりすることが要因として挙げられます
私が事務所を構えて25年以上経ちますが
これまでの経験の中で、検査済証を取得しなかった建物が一軒だけありました
それは工務店からの依頼で設計を担当したものでした
今振り返ると、どのような事情であれ、施主に対して説明を尽くすべきだったと思います
現在では、すべての建物で検査済証を確実に取得するようにしています
しかし、これからの課題は空き家の利用です
日本には検査済証がない古い建物がまだ多く残っています
これらの建物をリノベーションや改修する際、検査済証がない場合にどう対応するべきか、今後さらに議論が必要でしょう
特に、建築基準法の改正や新しい法整備が進む中で、施主がトラブルに巻き込まれないよう、私たち設計事務所も施主に寄り添いながら適切な提案をしていかなければなりません
家や建築を考えるとき、デザインや間取りだけでなく、法的な基準や手続きについてもぜひ関心を持っていただきたいと思います
建築確認申請や検査済証の重要性を知ることで、安心して暮らせる家づくりができるはずです
2024/02/09
建物の足元:基礎と建物の関係

建物設計していると「足元」に意識が向くことが多々あります。基礎工事やそのデザインは、建物全体を支える大切な部分でありながら、一般の人はあまり気にすることのない部分です。でも足元の違いを見ていくと、時代ごとの住まいのあり方や価値観が浮かび上がってきて、とても興味深い。
例えば、古民家の足元はどうなっているかご存知ですか?
柱が直接石の上に建っているんです。
草履や下駄を履いているような軽やかさがあり、風通しの良さや周囲の自然との調和が感じられますよね。
戦後の住宅になると、柱はコンクリートの基礎の上に建つようになります。
ちょうど小学校の標準靴を履いているような感覚でしょうか。
しっかりと支えられてはいるけれど、どこかシンプルで無駄のない作りです。
そして今の家はというと、耐震基準を満たすため、コンクリートの基礎が非常にしっかりとしたものになっています。予算の大部分を基礎に割いている家も少なくありません。安全のための「オーバースペック基礎」は、まるで安全靴のよう。しっかりとした安心感はあるものの、少し重々しく感じることもあります。
そんな足元を見ていると、足元にもデザインの力を感じることがあります。
この写真に映っている足元の部分、何とも素敵だと思いませんか?
ただ建物を支えるだけではなく、その存在自体が空間に美しさや軽やかさをもたらしています。
建物の足元を靴に例えると、過去から現在に至るまでの家づくりの変遷が見えてきます。
安全や快適さを追求する中で、私たちがどんな住まいを理想としているのか、そのヒントが足元に隠れているのかもしれません。
住まいづくりを考えるとき、足元をデザインの視点から眺めてみるのも面白いですよ。これからの家づくりでは、機能性と美しさの両方を備えた「軽やかで心地よい足元」を意識していきたいものです。
2022/02/18
家の間取りを考えよう:設計の楽しさを再発見

子供の頃、家の間取りを描いていたことがありますか?
私もその一人で、LEGOブロックを使って、夢の家を作っては遊んでいました
みなさんはどうだったでしょうか?
家を作ることにワクワクした記憶がある方も多いと思います
あのころは、自分の理想の家を自由に描くことが楽しみのひとつでしたよね
しかし、なぜ大人になると、家の間取りを自分で描かなくなるのでしょう?
住宅の相談会に行くと、ほとんどがお金の話ばかりです
予算が決まると、だいたい家の大きさも決まってしまいます
でも、一度自分で「住みたい家」を描いてみること、試しに間取りを考えてみることがとても大切だと思います
自分の理想を反映させた間取りを描くことで、家づくりに対する考え方が大きく変わるはずです
私の実家は素人の私の父親が描いた間取りをもとに、太平住宅という在来木造の住宅メーカーが建ててくれました
ダイニングキッチンを広くしたかったので、鉄骨の梁が二本も入ってしまいました
それでも、父が思い描いていた通りの家が出来上がり、広いダイニングキッチンは私たち家族の生活の中心となりました。このように、間取り一つで家の雰囲気や使い勝手が大きく変わります
間取りを一緒に考えるのが、家を建てる建築士の仕事です
設家族の生活スタイルや要望を聞きながら、最適な間取りを提案することができます
間取りによって、家の使い勝手や快適さ、さらには家の持ちまで変わってくるのです
家を建てる際には、まず自分がどんな家に住みたいかをしっかりと考えて、間取りを描いてみてください
理想の家を形にするための第一歩は、自分の思いを形にすることから始まります
それが、素晴らしい家づくりへの鍵となりますよ!
2021/11/23
竣工写真の撮り方—設計者としての視点と

工事が終了すると、竣工写真を私は自分で撮影しています
ですが、どのように撮るべきか、いつも迷います
① まずは気の向くままに撮りたい写真を撮る
② 設計の意図が伝わる写真を意識する
③ 空間全体の構成が分かる写真を収める
④ 住む人の視点に立った写真を考える
⑤ 細部のディテールを捉えた写真を残す
これらを試しながら撮影するのですが、なかなか思うようにいきません
他の人に撮影してもらった写真は、構図が整っていて見やすいものの
自分が意図した空間の魅力が十分に伝わらないことがあります
かといって、自分で撮影しても、空間のすべてを表現しきれず、何度も撮り直してしまいます
プロのカメラマンに依頼すれば、客観的で洗練された写真が撮れるかもしれませんが
設計者自身が伝えたい空間の本質をどう切り取るかを大切にしています
2021/09/01
空気の流れのデザイン:昔の工夫と現代の機械

昔の建物を見学すると、空調機や換気扇がない時代ですが
空気の流れが巧妙にデザインされていたことに気づきます
写真で紹介しているのは、2階の洋室に取り付けられていた換気口です
この換気口は暖かい空気が自然に上昇することを利用し
そのまま屋根へと排出される仕組みです
空気の流れを意識して設計されており
部屋の雰囲気を壊さずに機能的な効果を発揮します
空調機や換気扇が必須の存在となり
これらは電気で動き、効率的に空気を動かすことができます
性能面では確実に進化しており、安価で空気を循環させることができるため、室内の快適さが増しています
しかし、これらの機械は、部屋のデザインとの一体感が欠けることがあります
プラスティック製の換気扇や空調機が目立つことで、空間全体の美しさが損なわれてしまうと感じます
換気扇や空調機がデザインされたとしても
部屋との調和を考慮した設置がなされていない場合
機能性は向上しても、空間全体の美観が損なわれることがあるのです
昔の建物に見られるような、自然の力を活かした空気の流れとデザインの調和を
現代に再現することが今後の家づくりの大きなテーマになっていくのではないでしょうか
空調機・換気扇・扇風機がない時代の建物を見学すると
空気の流れがデザインしてある
写真は2階の洋室につけてあった換気口
あったかい空気は上にあがるので
口を設けて屋根へさらに外部に
洋室の雰囲気を壊さないようにデザインされている
現在は機械のプラスティック性のものが設置される
電気で動いて安価で空気を動かすので性能はアップ
しかし部屋全体でのデザイン性はダウン
空調機・換気扇がデザインされても
部屋との一体感は気にもされてない
2021/07/29
ひとつのドア 考えることいっぱい

知人が玄関ドアとトイレを替えたいというので
工務店を紹介しました
その前に何社か見積をとられていたようです
工務店にお任せしてノータッチで進められていましたが
最終決定で悩んでおられるようなので背中を押しにいきました
玄関ドアひつつでも
断熱性能・デザイン・光の入れ方・鍵の種類・扉の開き方・扉の大きさ
いっぱい決めることがあります
ドアだけでなく家の性能・家のこれからの話もあるから
全体として考え答えを導きだすのが設計士の癖ですが
これが設計士の仕事なのかなーと感じました
2021/03/31
日本人とあかり:光と影を楽しむ

障子越しに漏れる柔らかな光―
日本の伝統的な住まいでは、光と影を巧みに活かす工夫がされていました
今では天井に大きなシーリングライトを取り付けるのが当たり前となり
明るすぎる部屋が主流になっています。しかし、これが本当に心地よい空間といえるでしょうか?
上質なホテルのように、天井ではなく床や壁、家具を活用した照明計画を採用すれば
光が空間全体に溶け込み、自然な陰影を楽しむことができます
こうしたデザインは、単に明るさだけではなく、住まいに温かさや深みを与えてくれます
かつての日本人は、障子の光や行灯の灯りを楽しみながら暮らしていました
その感覚を現代の住まいにも取り入れることで、日々の暮らしをもっと豊かにできるはずです
光と影が織りなす美しい空間に興味はありませんか
2021/03/15
注文住宅:設計事務所を使いこなす

2021/01/26
CASBEE(キャスビー)という建物評価法

CASBEE
Comprehensive Assessment System for Built Environment Efficiency
建築環境総合性能評価システム
家や建物を建てるときにどれだけ環境に配慮できているか評価するシステム
資格は取ったものの利用してことはありませんが
家を新築するときに次のような視点はやはり大切です
建築基準法に適合しているのは最低限ですから
家を建てるときCASBEEの次の視点を
すこしでも取り入れましょう
・室内環境を快適・健康・安心にする
・長く使い続ける
・まちなみ・生態系を豊かにする
・エネルギーと水を大切につかう
・資源を大切に使いゴミを減らす
・地球・地域・周辺環境に配慮する
2021/01/23
お問い合わせ・相談
どこから・なにからはじめてよいかわからない方も大歓迎
まずはお気軽にご相談ください
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