ここから50年

左官下地工事:己斐の家

左官下地工事:己斐の家

外壁の左官下地工事
既存の軒裏のデザインをいかして

左官下地工事:己斐の家

テラスとして使っていた部分に
屋根をかけました

左官下地工事:己斐の家

和室の壁の改装
何度も塗り重ねられた仕上げ

左官下地工事:己斐の家

これは綿壁部分をクレイパーではぎ取ったもの

左官下地工事:己斐の家

きれいに仕上げるには
下地処理は欠かせません

まっすぐな線はない:己斐の家

まっすぐな線はない:己斐の家

図面で表す時の壁は直線ですが
改装の時の柱がまっすぐ立っていることは
ほぼありません
内部も外部の壁も柱が見える
真壁のままの改装では問題になりませんが
柱を隠してしまう大壁の場合は
ゆがみを下地で直していくことになります

まっすぐな線はない:己斐の家

台形にして取り付けられた下地
柱の上下で傾いています

まっすぐな線はない:己斐の家

外壁部分は
長い横材をあてると
壁の引っ込み部分があるのがわかります
下地の胴縁にさらに下地を

まっすぐな線はない:己斐の家

新築の家では当たり前の垂直と水平
大工さんに改装工事の間中
この垂直・水平問題に取り組んでいただくことになります

外壁工事(準備):己斐の家

外壁工事(準備):己斐の家

外壁の仕上げは杉板塗装仕上げ
大工さんの倉庫に板が搬入されました

外壁工事(準備):己斐の家

現場でお施主さんと決めた色に
先行塗装されていきます

外壁工事(準備):己斐の家

現場では
外壁全体に張った合板の上に
タイベックシートを貼り
通気胴縁を施工して
板を貼る下準備ができました

外壁工事(準備):己斐の家

現場監督さんが
板のとめ方について大工さんと打ち合わせしたサンプルが壁に
後々のメンテナンス等を考えてビスで施工することに

補強工事(床・壁):己斐の家

補強工事(床・壁):己斐の家

ここ何週間か現場に通う度に
現場監督と大工さんから家のゆがみについて
話を聞いていました
本日お施主様から
原爆にあった後の建物の話を聞きました
窓ガラスが割れて床柱に刺さっていたと
爆心地から4キロ離れた位置でも建物に風圧の影響があったようです
建物のゆがみもその時のものなのでしょうか

補強工事(床・壁):己斐の家

柱梁の構造体による和風建築を
壁をつくり
揺れをすくなくしていきます
縁側部分も一部壁に

補強工事(床・壁):己斐の家

2階の回廊部分も一部壁に

補強工事(床・壁):己斐の家

全てばらして構造計算して耐震補強とは
なかなかできませんが
大工さんが直感的に組んだ構造体を活かしながら
これから50年住める構造体を構築していきます

補強工事(床・壁):己斐の家

2階の床は合板にて水平剛性を出せるように

長押再利用:己斐の家

長押再利用:己斐の家

この三角形は何の掘り込みでしょう?
長押を鴨居などに止める釘のための
釘彫というものです
今回初めて目にしました

長押再利用:己斐の家

引き戸の上レールの部分
鴨居の上の
断面台形の部材が長押です
この台形の形を長押挽きというそうです

長押再利用:己斐の家

今回の改装で
8畳の和室を6畳にするので
写真の位置の鴨居を半間前にずらします
意匠材は再利用
天井まわりの竿縁
鴨居などを利用します

長押再利用:己斐の家

天井部分は六畳仕様に移動されていました
あとは加工して長押をつけるだけ

窓について:己斐の家

窓について:己斐の家

現場にサッシが搬入されました
西側立面の道路に面した窓の位置だし
現場で大工さんに仮に取り付けてもらい
お施主さんと確認しました

改築を始める前には
引き違いのアルミサッシが4セットついていました
さらにその前は
木製の上げ下げ窓だったと想像しております
一部洋館のような雰囲気を持つ場所です

窓について:己斐の家

今回は少し開口面積を狭めて
壁をくぼませて
面落ちのデザインをすることに

窓について:己斐の家

開口部の建具は
昔はすべて木製でした
昭和の時代にアルミサッシにとりかわり
その後断熱サッシとして樹脂サッシが
樹脂サッシはどれくらいの寿命なのでしょう

窓について:己斐の家

今回の工事は
一部既存の木製建具を残して
その他はアルミサッシに
ガラスは熱線反射ガラスに

木組みについて:己斐の家

木組みについて:己斐の家

今のオーナーさんのお父様が
戦後購入されたこの家
築年数はいまだ不明です

戦前の頃の木造住宅と言えば
大工さんが間取りも
木組みも決めたことでしょう

木組みについて:己斐の家

間取りを優先したのでしょうか
2階が乗っている部分の角(写真白線部)に
柱が1階部分にない場所が2か所

現場監督さんと
いろんな考えで大工さんの考えを推理します

木組みについて:己斐の家

年月によるものか
最初からなのか
柱がないことによる傾きが構造体に出ています
柱等で補強していきます

元は伝統工法の柔構造の家を
骨組みを利用して
あらたに剛構造の家としていきます

基礎を設けていないので
地盤の上に
強い箱がのっている状態です

木組みについて:己斐の家

既存壁に
気密状態と構造補強のため合板を貼ります

木組みについて:己斐の家

一部間取りの変更も行うため
弱い部分には
梁の補強をしていきます

屋根工事開始:己斐の家

屋根工事開始:己斐の家

化粧で見える軒の修復を終えて

既存の下地板と垂木を残した部分に
新たな屋根の下地板の合板を取付
ここまでは大工工事

合板の上にルーフィングを引いて
いよいよ瓦を運び込みます
瓦を運ぶ素敵な足場が登場しました

屋根工事開始:己斐の家

瓦のデザインも
屋根のデザインも少しスッキリした表情になりそうです

軒の修復:己斐の家

軒の修復:己斐の家

家の一部を減築するので
屋根の形が変わります
取り合いの屋根の形成工事と
軒の修復工事が進んでいます

軒の修復:己斐の家

縁側に面する部分
2階の廊下に面する部分の軒は
2重に垂木がかけてあります
お化粧軒裏です

軒の修復:己斐の家

取り合い工事をしながら
大工さんが修復をしてくださいました
化粧の軒のきれいなこと
木のリズムを感じることができる場所

軒の修復:己斐の家

他の部分を化粧板が抜けてる部分は
補修をしていただいてます

軒の修復:己斐の家

外部の仕上げ決定:己斐の家

外部の仕上げ決定:己斐の家

屋根の素材及び仕上げは設計時に決定済み
二階建てのボリュームのある壁が
ほぼ杉板仕上げなので
その重要な要素である
杉板の塗装の色を本日決定

外部の仕上げ決定:己斐の家

写真の外壁の色と

外部の仕上げ決定:己斐の家

写真の外壁の色をまぜた感じの色にすることに

外部の仕上げ決定:己斐の家

庇がある部分から2mは
雨水がかかりにくいので
羽目板張りですが
2階建てで雨水がかかりやすい部分は
写真のような押縁の仕上げになります

外部の仕上げ決定:己斐の家

塗装は塗り重ねていくので
最初に暗くしてしまうと
あとから明るくすることはできません
ではどこまでの明るさにしておくか
家の前を通る小学生が
木だけど
以前と違うなと思ってくれるといいな
お施主さん
現場監督さんとともに
決めた色で仕上がる外壁を楽しみにしています

床下工事:己斐の家

床下工事:己斐の家

解体工事が終了すると
屋根を新しく葺きかえる
上の工事とともに
足元の工事がはじまります

戦前の建物とお伺いしているのですが
床下は
土台がのっている縁石部分はそのまま水平に保たれ
内部は下がってしまったのでしょう

設計時に調査した時も思ったのですが
十分な床下高さがあるからなのか
湿気もなくシロアリ被害もありませんでした

床下工事:己斐の家

建物の耐用年数や
工事の予算配分から
今回の工事は
防湿コンクリートや基礎工事は行いません

床下工事:己斐の家

構造的に力がかかる部分は転圧して
ブロック・束石を施工して
その他の部分は砂利敷きに
防湿シートも敷きません
水が入っても抜けていくように

床下工事:己斐の家

大工さんが見つけて教えていただいたのですが
土台どうしのつ継ぎ手に
割楔締めがされていて
これは絶対抜けないそうです
釘も使わない
木の特性を利用した継ぎ手です

解体終了:己斐の家

解体終了:己斐の家

既存の柱・梁・土壁を残した
改築工事を進めています

客間は床組みからなおしますが
天井は既存を使う予定

解体終了:己斐の家

開放的な空間
縁側や2階の廊下を残しながら
構造的に補強していきます

解体終了:己斐の家

解体工事が終了して
構造体がすべて見える状態になったので
計画通りの補強でよいかを
現場監督さんと大工さんと
設計者で確認していきます

ときには柱はあるけれど
ほぞ穴等で弱弱しい部分もあるので
大工さんに教えていただきながら
確認作業を進めます

解体終了:己斐の家

天井裏の小屋組みはすべて丸太
隠れてしまうところですが
丁寧に施工されていました

解体終了:己斐の家

最初の家の形を思い浮かべることができる場所も
今はユニットバスが入ってますが
土間からお風呂に入る扉跡が出現
土工事への続きます

瓦の撤去:己斐の家

瓦の撤去:己斐の家

ここから50年を考える時

屋根の吹き替え工事は必要です

瓦の耐用年数は

メンテナンスしながら約50~60年くらい

 

 

瓦の撤去:己斐の家

瓦の様子と軒先に土が見えていたことから

土葺き工法の瓦屋根だと思われていましたが

平屋部分の瓦を撤去してみると

以前の改修で土を撤去して

瓦桟工法に変更されていました

防水のためのルーフィングがない時代は

土と

野地板の上に杉の皮で

雨水を受け止めたのでしょう

瓦の撤去:己斐の家

軒先に残る土の部分に

瓦の裏の模様が転写されていたので

解体されたものを一つとって裏返してみると

右から書かれた

菊間瓦産業組合の文字でした

菊間瓦は広島城にも利用されていたようです

解体開始:己斐の家

解体開始:己斐の家

生活道路に面した
外部ブロック塀を一部撤去することから
解体工事が始まりました
車の交通量も多いし通学路なので
ガードマンを要しての工事となります
つづいて行われる
建物の解体工事の準備として
ガスを切り離し
キッチン・洗面台・便器などの住設を給水から切り離します

解体開始:己斐の家

既存住宅で使われていた
障子などの木製建具は
改築後も補修して使う予定です
現場で保管ができる場所が確保できないので
建具屋さんが取り外しされて保管されます

解体開始:己斐の家

今回の解体工事は2段階にわけて
まずは解体専門業者
ブロック塀・屋根(屋根下に土)及び減築部分などの解体

次に木に関わる部分は大工さん
柱・梁などの構造体
長押などの造作材など
再利用できるように取り外していただきます

その前に現場監督が
壊す部分と残す部分の支持のテープ貼りと養生をされています

解体開始:己斐の家

欄間(ランマ)建具も取り外して保管
通風のために開け閉めができるようになっています
(一部は造作材の変形により取り外し不可でしたが)
扇の形などの塗回しの開口部が現れました

解体開始:己斐の家

採光・通気という機能に
意匠性を持たせた明り欄間
現在の建物の物差しである
断熱・気密に当てはめると
必要のないものですが
職人さんが家つくりを楽しんでいた時代の空気を
ここから50年も楽しんでいけるものにしように
改築していければと思います

工事開始前写真撮影:己斐の家

工事開始前写真撮影:己斐の家

己斐の街中にある
寄棟つくりの屋根
漆喰と木板の外壁

工事開始前写真撮影:己斐の家

玄関あがったところにある
取次という畳のスペース
お客様が迎え入れる時
座ってお迎えすると
お客様を見下さないようにできています

工事開始前写真撮影:己斐の家

南西に開いた縁側のある1階客間

工事開始前写真撮影:己斐の家

年明けから工事が始動しました
引越しを終えられて
工事準備がはじまる前に
写真撮影をさせていただきました
ものがきれいになくなると
本来の空間の姿がよく見えてきます
これまでのここでの生活に思いをはせ
ここからの50年を支える家をつくり始めます
工事前にきれいにお掃除された空間を見て
現場監督と気を引き締めました

工事開始前写真撮影:己斐の家

また設計時に伺った時に
撮影した写真を思い出しました
本日伺った時には掃除道具はありませんでしたが
階段の上り口に置かれた
ほうき
はたき
布団たたきなど
これまで住まい手がどのように暮らしてきたのかを
想像できる大好きな写真です