ともに住む家|呉三和プロジェクト 05| 住まいをかたちにする
実施設計とは
前回の基本設計では、
住まいの方向性を確認しました。
配置や間取り、構造や空間の広がり、
素材のあり方や窓の大きさなど、
これから暮らしていくための骨格を整理しています。
実施設計では、その基本設計をもとに、
実際に建てられる建築へと整えていきます。
施工会社が正確な見積りを行い、工事を進められるよう、
一つひとつの線に材料や寸法、
仕様や情報を与えながら図面をまとめていく工程です。
「考える」段階から「建てる」段階へと進んでいきます。
構造図で木を組む
今回の住まいは、
正方形の平屋に寄棟屋根を掛けた、シンプルな構成です。
構造図では、そのかたちを支える柱や梁の大きさ、
木材の種類を決めていきます。
今回は梁や柱を現しとする計画のため、
構造体は空間のデザインにも大きく関わります。
必要な強度を確保するだけでなく、
見えたときの美しさや
空間とのバランスも考えながら検討を進めました。
構造図は、建物の安全性と空間の質、
その両方を支える図面です。
断面図で考える
断面図では、天井の高さや屋根の構成、
床・壁・天井のつくりを整理していきます。
今回の計画では、お施主様と相談し、
梁までの高さを必要以上に高くしないことに。
大きな空間は開放感がありますが、
その分、冷暖房の効率にも影響します。
快適な暮らしと省エネルギーの両立を考えながら、
この住まいにちょうど良い空間の高さを検討しました。
断面図では、
平面図だけでは分からない空間の広がりや、
構造・断熱との関係も確認していきます。
展開図を描く
展開図では、部屋の壁の様子を一面ずつ整理します。
窓や建具、家具との関係、
スイッチやコンセントの位置など、
実際の暮らしを想像しながら決めていきます。
今回は、正方形を基本としたシンプルな平面構成。
空間を建具でどのようにつなぎ、どこで区切るのか。
また、設備を通すために必要な壁をどこに設けるのか。
暮らしやすさと施工性の両方を考えながら、
一つひとつ整理していきました。
詳細図にまとめる
最後に、細かな納まりを詳細図としてまとめます。
屋根や外壁、床・壁・天井の構成、
建具のデザインや金物、収納のつくりなど、
完成後には見えない部分も含めて検討していきます。
住まいの性能や耐久性、使いやすさは、
この細かな積み重ねによって決まります。
一つひとつの図面を重ねることで、
施工会社が迷うことなくまた
工事が順調に進められる状態へと整えていきます。
見積りへ
こうして実施設計がまとまると、
施工会社へ図面を渡し、見積りを依頼します。
工事費を確認しながら必要に応じて調整を行い、
着工へ向けた準備を進めていきます。
基本設計では住まいの方向性を考え、
実施設計ではその思いを建築として
実現できるかたちへと整えてきました。
図面を一枚ずつ積み重ねることで、
住まいは「考える建築」から「建てる建築」へと
変わっていきます。
このプロジェクトも、いよいよ次の段階へ進みます。