年末、r.yokogawaでの福田十糸子さんの作品展が、今年最後の仕事となりました。
「それで、さ」と題された、二人が並んで佇む作品。
向き合うでもなく、ただ同じ方向を見ながら、会話が続いている姿に、今年の時間が重なりました。
この一年、言葉について考えてきました。
意味を正確に伝えること。けれど、それだけでは届かないもの。
声の調子や間、沈黙、そしてその場の空気。
言葉は、音となって先に身体に触れることもあるのだと、あらためて感じています。
隣に座ると、言葉はやわらぎます。
川辺や海辺、山の上のように、同じ景色を見ているとき、会話は説明をやめ、「今、ここ」を共有しはじめます。
会って話すことは、情報交換ではなく、存在を確かめ合うこと。
「それで、さ」と続いていく会話の中に、人と人との距離が、静かに編まれていくのだと思います。
建築もまた、言葉と同じです。
答えを急がず、同じ場所に座り、同じ方向を眺めながら、間取りや形の話を重ねていく。
今年出会ったすべての会話に、感謝を込めて。
どうぞ、よい年末をお過ごしください。