年が明けると、なぜか毎年の習慣のように街を歩きはじめる。
お正月に食べすぎたからなのか、
同じように歩いている人と、自然とすれ違う。
今回の目的地は、実家と地元のジーンズ屋さん。
一月三十一日で一区切りになると聞き、
これが最後かもしれないと思って、あいさつに立ち寄った。
そこで、私とよく似たファッションの感覚をもつ人に出会った。
高校生の頃、私はコンバースのバスケットシューズを二足買い、
左右を色違いで履いていた。
同じ色でそろえなくてもいいのではないか、
そんなふうに思っていたからだ。
その人も、まったく同じことをしていたという。
「靴下で色をきかせるんですよ」
今日買った迷彩の服には、ピンクがいいと教えてくれた。
本当に同じだな、と思って、
思わず握手をして店を出た。
地元の町のジーンズ屋さんで、
こんなふうに感覚の近い人に出会えたことが、うれしかった。
みんなと同じ指向だったら、
きっと、こんな気持ちにはならなかっただろう。
そのジーンズ屋さんは、
長い時間をかけて、顧客と向き合ってきた場所なのだと思う。
一人ひとりの好みや体型を理解し、
同じように年を重ねていく女性たちに寄り添ってきた。
服が好き、という気持ちでつながれる場所は、
いつのまにか商売を超えていた。
靴ひとつで、ここまで自分の話になる。
家づくりもまた、
もっと個人的で、
もっと自由であっていいのではないだろうか。