歴史を肌で感じたベルリン – 東西ドイツ

1990年の夏、私はベルリンにいました
西ベルリンでは壁のかけらがお土産として売られ
この門をくぐり訪れた東ドイツ側はまるで白黒の世界のように見えたのを覚えています
境界があった街、その境界が消えつつある瞬間
1989年11月9日にベルリンの壁が崩壊し
1990年10月3日に東西ドイツが統一されるまでの間
歴史の転換点をまさに目の当たりにしました
今振り返ると、その時に感じたものは、単なる「変化」ではなく
「時間の積み重ねが形を変えていく」ことだったのかもしれません
あれから何度かベルリンを訪れるたびに、街の変化を感じ、その度に1990年の記憶がよみがえります
ベルリンは、過去と未来が共存する都市です
歴史を記憶しながらも、今を生きる人々の活気があり、新しい文化が生まれ続けています
建築もまた、その変化を映し出すもののひとつ
壊されたもの、残されたもの、新しくつくられたものが融合し、街の姿をつくっていくのです
私たちが設計する建築も、住む人の記憶や時間の積み重ねを受け継ぐものになってほしい
歴史を感じながら、新しい価値を加えていく
そんな家 建築を目指したいと思います