土地が生み出す建築 – 日本的な空間とは?

マラケッシュからワルザザートへ、アトラス山脈を越える旅の途中
そこには、日本とはまったく異なる風景が広がっていた
家のつくり、畑のかたち、山の色
すべてがその土地の素材でできていた
建築は、本来その土地の気候や文化、風景と深く結びついている
流通や技術の発展によって、今ではどんな素材でもどこからでも手に入る
しかし、それでも日本の建築において変わらないものとは何か?
私が考えるのは、「和風」という装飾ではなく「和」の空間が持つ本質的な心地よさだ
光の入り方、風の流れ、素材の質感
障子越しのやわらかな光、縁側での時間、庭とのつながり
そうした空間の持つ豊かさを、日本の家づくりでは大切にしたいと思う