松尾芭蕉 永遠に変わらないものを求めて

東北を旅していると、松尾芭蕉の名を目にすることが多いです
俳句に親しんでいるわけではない私でも
芭蕉が43歳にして15ヶ月間もの長い旅に出ていたことには驚かされます
それも徒歩での旅
しかも、その途中で見た景色や人々への思いが詠まれた俳句には
ただの旅以上の深い意味が込められているのだと思います
芭蕉が追求した俳諧の本質には「不易」と「流行」という二つの側面がありました
永遠に変わらない本質的な部分と、一瞬一瞬に変化し続ける流行
これらを同時に捉えようとした彼の考え方には、深い哲学と感受性を感じます
この考え方は建築にも通じるものがあります
建築もまた、時代とともに変わりゆく部分と、変わらず残るべき部分があるのだと思います
「不易」の部分、つまり永遠に変わらない価値観や構造が大切にされなければ、建築はただの箱になり
価値を失ってしまうのではないでしょうか
私たちが手掛ける家づくりでも、流行に流されず
心地よい空間を作り出すために「不易」の部分に目を向け、時代を超えて愛される家を目指しています