日本の壁はどう変わった? 土壁と現代の家づくり

つい50年前まで、日本の家の壁といえば土壁でした
木と土、糊、藁 、すべてが自然由来の素材でできていて、近くの環境から採取できるものでした
工業化された製品は一つもなく、使い終わればまた自然に還る、循環する仕組みがありました
しかし、現代の家の壁はどうでしょうか
合板や石こうボードといった工業製品が主流になり、大量生産・消費の社会の中で生み出されたものです
施工の効率化やコスト削減が優先され、素材の持つ本来の魅力や、時間とともに変化していく味わいが置き去りにされているように思います
日本の文化に根ざした「今の日本の壁」とは何なのでしょうか
時代とともに建築は変わり続けていますが
それでも「不易」として残していくべきものがあるはずです
私たちは、木の家や木造建築を設計する中で、単に新しいものを追い求めるのではなく
日本の暮らしの中に息づいてきた素材や技術を大切にしたいと考えています
家を建てることで、単に住む場所をつくるだけではなく、文化や価値観を世代をこえてつなげたい
住まい手とともに、そんな家づくりをしていきたいと思います