地域の森はどう甦るのか|フランス林業“適地適木”からの学び
森林循環経済トークライブ Vol.1 に参加しました
今回のテーマは、門脇仁さんの著書
『広葉樹の国フランス「適地適木」から自然林業へ』
フランス林業が大切にしてきた「適地適木」の考え方は、木や森だけではなく、暮らしや街の風景までゆるやかにつないでくれるような、やさしい視点でした
フランスの森はできるだけ自然に寄り添いながら育てられ曲線的でやわらかな姿を保っています
一方、日本の山はまっすぐと整えられた直線的な景色が広がります
ところが街ではこの関係は反転します
フランスの街や庭園は幾何学的で直線的
日本の街や庭は、自然のゆらぎを残し、曲線的で“カオス”を含んだ表情を持つ
森と街の関係が、国ごとにまるで鏡のように入れ替わっているという参加者の視点は、とても印象に残りました
○適地適木から「適地適建物」へ
トークを聞いていて、適地適木は単なる林業の技術ではなく
土地に合うものを土地に合うかたちで生かしていく文化的な態度だと感じました
それは建物にも当てはまります
建物を残すか、壊すか、どう街に馴染ませるか
もし「適地適建物」という視点で向き合えたら
無理に変えるのでもなく、ただ残すのでもなく
土地が呼吸しやすい姿で街をととのえていくことができるのではないか
そんなやわらかな気づきをもらいました。
○広島の木と山を“文化”として生活スタイルに
今回の話を広島に重ねて考えてみると、いくつも可能性が見えてきます
広島は、山が近く、木が身近にある土地です
けれど日常にその豊かさが自然に溶け込んでいるかというと、まだまだ余白があるように思います
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家具や内装に地元の木を選ぶ
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山の稜線を読みながら窓の配置を決める
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リノベーションで古い建物の木を残し再生する
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地域材の香りや手触りを暮らしの中に生かせるものを製作する
こうした小さな選択は、そのまま広島の文化を育てる行為になるのではないでしょうか
フランスが森を文化として甦らせたように
広島でも、木や山を「生活のなかの当たり前」として取り戻せる
その先には、街並みや暮らし方も、ゆっくりと姿を変えていく未来があるように感じました
○森・暮らし・建物をひとつながりで考える
トークライブは専門的な話でありながら、どこか暮らしの根っこを温めてくれるような時間でした
森をどう育てるかは
暮らしをどう育てるか
街をどう育てるか
建物をどう残していくか—
そんな問いとつながっています
広島の木と山とともに未来を、小さな選択からつくっていけたら
そんな想いを胸に、私自身の設計の仕事にも、今回の学びをそっと重ねていきたいと思います