『空間とことば』のはじまり
2016年の旅先のノルウェーで
この写真を撮り続けていた日に感じていたこと
遠い山・穏やかな水面などがつくる自然が描くラインと
小さな住宅と樹木がつくりだしているラインが共鳴して
私たちが住んでいる世界はこんなに美しいんだと感じたから
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私がしている設計の仕事は
図面に描いているのはつくる素材の実存の物のラインだけど
そのラインががつくりだしている『空間』を設計しています
施主の言葉をきいて(インプット)
空間にかたちをあたえる(アウトプット)をずっと続けてきました
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設計した各家に自分がデザインしたといえるカタチはひとつもない
長い歴史のなかで使われてきた建築言語を借りて・バランスのとり方でできていると思っている
けどその設計のプロセスのなかで
それぞれのストーリーはある
時間という軸もあるので言葉で伝えるしかないと
最小限のことばで思ったことを表現してきた
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その言葉にしてきたことは私の美学にもとづくもののように思う
空間もことばも自分の美学にもとづいて紡ぎ出される
そのラインが美しく見える人とは共鳴して
一緒にものが作れたり・空間を創造したりできるのだと思う
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こんなデザインができます
こんな素材をつかってますと広告することは
施主の選択を狭める気がしてあまり好きではない
『共につくる』というプロセスを共有できる人
さらに自分の美「よりよく生きたい」を欲しているひとへの
わかりにくいけど
ここにいますよというアピールをしていたのかもしれないと思う