フィリップ・ジョンソン邸へ行こう
表紙買いした雑誌を 久々に手に取り読んでみました
写真の『ガラスの家』という住宅作品は
好きな住宅として学生の時にあげていたもの
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この住宅は 設計者の週末の隠れ家であり
鉄とガラスでできた小屋である
内部に壁は存在せずガラスで作られた箱の中の空間は感覚的には一つの大きなホールである
私が気に入った1つ目の理由は
大きなホールを家具やオブジェの配置によって
いくつかの領域に自然に分かれていることである
無理やり用途によって細々と分けないところである
ジョンソンの言葉で言うなら
家具の配置で部屋や通路の役割を果たしている空間の領域やボリュームを
自然と浮かび上がらせている点である
2つ目の理由は単純な構造ではあるけれど日本にもある箱物建築などと比べてどこか色気があるところである
装飾もたいして施されていないのにどことなく感じられる設計者の美的センスである
規則的な中に見てとれる何かである
ここでは屋根を突き抜けて 垂直に伸びる円形の塔がそう感じさせる一番のものである
日頃は装飾過剰な建物を見ることが多かったのでシンプルながらも内容のある住宅に魅了された
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大学2年生の時の課題で私が写真と図面からの家の感想です
この雑誌のガイド役は建築家の中村好文先生
1974年に出版されたこの本で「ガラスの家」に出会ったそうです
「床から立ち上がった円筒は、その床に敷いてあるのと同じレンガからできていて、この家の主にモチーフとなっている。これはミースに由来するものではなく、私がかつて見た火事で焼かれて基礎とレンガの煙突だけ残った木造の農家のすがたから導き出されたからである。」
本のなかの説明に詩的なものを感じこころ揺さぶられたそうです
フィリップ・ジョンソン先生は莫大な財産を受け継いだ建築家でありながら
MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキューレーターであり
抽象絵画のコレクターでした
建物だけをみて設計者のことまで気にせずにいた大学二年生の自分と
今の自分をつないでくれた大切な建物が『ガラスの家』
家具で仕切られた空間の作り方は日本のつい立てや床の高さで空間を分ける日本的な部分も感じられ
魅了された煙突の位置や形はモンドリアンなどの抽象絵画の画家の影響を受けていることも今ならわかります
さらに言えば、この家は広大な敷地に建つ9個の建物の一つに過ぎないということ
機能は部屋ごとでなく建物ごとに分けてあることにおどろき
そのことを気にもしてなかった自分におどろきました
ガイドの中村好文先生の文章で案内されるそれぞれの建物
意味があり実験をしている過程のすべてが人生
ガラスの家で息をひきとったフィリップ・ジョンソン
建築家の生涯かたる素敵な作品「ガラスの家」とともに天国へ
なんて詩的な締めくくりだろう
読みごたえのある雑誌です
ぜひ一読あれ
私は「ガラスの家」を見にいつかアメリカに行くことに決めました