無垢の床板と暮らす – 手をかけるほどに深まる愛着

設計事務所を始めたころに聞いた「縁側の床板を米ぬかで磨く」という話
当時は大変な作業だと感じたが、無垢の床板の家に住んでみると日々のメンテナンスが当たり前の習慣になった
汚れをやすりで落とし、オイルを塗り直す
手をかけるほどに、床は美しくなり、家への愛着も増していく
無垢の床の良さは、年を重ねるごとに味わいが深まることにある
化学塗料で固められた床と違い、木そのものの変化を楽しむことができる
国や文化によって家の中で靴を履く・脱ぐ習慣は異なるが
素足で木の床を歩いたときの心地よさは、どの国でも共通ではないだろうか
カイユボットの絵画「床を削る人々」に描かれたように
木の床は人の手によって維持され、長く生き続けるもの
そうした手間をいとわず、住み手とともに成長する家をつくっていきたいと思う