ひとつの窓|つかう・ととのえる暮らしの風景
先日、留学先のへルシンキに旅だった姪っ子から写真が届きました
最初に送られてきたのは部屋の様子でも街でもなく
一枚の「窓」からの眺めでした
釧路湿原のそばに建つ家で育ったからでしょうか?
窓越しに見える景色が
彼女にとって暮らしの大切な要素になっているのだと感じました
事務所開設当初に設計させてもらった姉夫婦の家は
釧路湿原にほど近い釧路町に建っています
自然を切り取る額縁のように
朝の光や霧の流れ、夕暮れに染まる空
日々移り変わるその景色は、写真の窓から眺め育ったことと思います
札幌での学生時代をすごした部屋も
そこから見える空がお気に入りだと教えてくれました
設計の仕事をしていると
窓は採光や通風といった機能面で求められることが多いですが
住宅において、窓の大きさや素材の選び方ひとつで
外とのつながり方や空間の印象は大きく変わります
それ以上に暮らしのなかで窓をあけて外部の空気をいれることは
心をととのえるる作業でもあると思います
「つかう」だけでなく、「ととえる」ことよって、日常に豊かさを見出せます
姪っ子の写真の中には裏庭に広がる湖が
水面に映る木々の姿は静かで、光と影が重なり合う美しい風景でした
窓からの景色を大切にする心は、環境を見つめる目を養うことにつながります
窓越しの湖の木々が
彼女の新しい日常の中でどんな記憶を育てていくのか、楽しみに思います