つくるでなくととのえる |ととのえてからつくる
私が1998年の旅でノルウェーを訪れたとき
旅で知り合った方の職場である
現地の中学校の教室を案内していただきました
広さは日本の教室と大きく変わりませんでしたが
壁の色やカーテンの色がそれぞれ違っていました
ひとつの壁には感じで友情と書かれていました
新学期のはじめに生徒がみんなで話し合って色を決めて
能動的に環境を変えれることをそこから学ぶのだそうです
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その時に自分の体験と比較してみて
日本の学校で習う「整理・整頓」という習慣を思い出しました
机をきれいに並べることや、持ち物を片づけることも確かに大切ですが
環境を変えれるという視点は育たないなと思っていました
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がしかし今の日本を見ていると
ただ片づけるだけではなく、環境をととのえることが
実は誰もができるすごい力なのではないかと思うようになりました
西洋の環境づくりには「創造する」ことへの強い意志を感じます
他者と議論し、共創しながら新しいものを生み出していく姿勢には
私自身も長いあいだ憧れを抱いています
日本人が共有している「まずはととのえる」という感覚もまた大切なのではないでしょうか
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家づくりやまちづくりも同じです
まずは光や色彩、素材といった身近な環境をととのえる
その上で、本当に必要なものをつくる
創造の力をまねるのではなく、日本人らしい感性でととのえ、そしてつくる
その循環の中に、これからの空間づくりの道があると私は考えています