段原の家
はじまりは玄関から:段原の家
段原再開発地域に
ご夫婦お二人の家を建てる
仕事の依頼をいただきました
6月1日が仮換地の使用開始日にあたり
周辺の土地は工事が始まってます
設計するにあたり周辺の動向を見て
ゆくっりとすすめていきます
土地は2方向が道路に面しているため
玄関の位置の候補がたくさんあります
施主の方に同行していただき
玄関の位置をまず検討しました
基本設計《前編》:段原の家
打ち合わせ1回目
敷地に建てられる可能性を11案作成する
ゾーニングといい
どの位置辺りにどんな大きさの部屋をとれるか
可能な案の図面を
全部見ていただく間に
お施主さんの話を聞いているうちに
求めているものの大枠が理解できる
打ち合わせ2回目
模型と図面を7案提出
大枠のゾーニングが決定できたら
次に家の見え方を考えるため
模型をつくる
二階のテラスの乗せ方で
屋根のかけ方で
いろんなボリュームの建物ができます
お客様が選択されたのは
南北に屋根が下りてくる切妻屋根
基本設計 《中編》 :段原の家
段原の再開発地区は
6月1日から換地使用開始になり
いっせいに工事が始まりました
お隣の建物は地元大工さんによって
建てられていますが
あとはほとんどハウスメーカーです
基本設計の中盤にはいり
平面計画と
建物ヴォリュームが決まったので
構造的な検討をしながら
建具の開き方等を決めていきます
また住宅設備と呼ばれる
トイレ・洗面所・キッチンなどを
ショールームに行って検討を開始します
基本設計《後編》:段原の家
1階の床板は何材にするか?
2階の床板は何材にするか?
基本設計の後半は
これから実施設計に入るにあたり
各部屋のイメージを決めていただきます
そのなかでも床板の占める割合が高く
また施工後なかなか取替えの聞かないものなので
サンプルを取り寄せて選択してもらいます
現場で確認:段原の家
設計が進んできたので
敷地にて
どのように納まるか確認です
窓の位置や大きさも決まってきたので
やはりその場に立って
確認・考えることは重要です
実施設計中:段原の家
展開図をご覧になったことはありますか
各部屋を中心からそれぞれの壁に向かって
見えるものを南北東西を図面にします
実施設計は展開図を中心に
・窓の位置と大きさ
・内部建具のデザインと開き方
・家具の詳細(機能)
・電気設備の位置(コンセント・スイッチ・照明)
などなど
生活の詳細を決めていきながら
実際作っていただく職人さんたちに
作りたいものが伝わる図面を作成していきます
図面はいろいろ合わせて
A3で75枚程です
実施設計終了:段原の家
設計図をすべて書き終わりました
設計図は家の注文書です
なのでお施主さんの方から
設計図を工務店さんに渡していただき
見積もりを依頼しました
家具決定:段原の家
ダイニングの家具が決定しました
設計の段階で内装を決める時
家具もイメージしていただくようにしています
家は見積もり調整中ですが
内装のイメージは変わることないので
先行して家具を購入されました
(家具によっては時間がかかるものもありますので)
家で時間を長くすごされる
ダイニングテーブルとイスを
選ぶポイントを
店主の方から伺いながら
施主さんの生活に合うものをえらばれました
リビングでソファー代わりにも使えるイス
(生地は色が変わります)
テーブルは床材とおなじチーク材
大きさは予定よりすこし大きめのもの
座ったときの居心地を優先しました
地鎮祭:段原の家
晴天のなか
段原の家の地鎮祭を行ないました
地鎮祭は工事が滞りなく進むように
設計どおりに完成するように
また火災・風水害にあわないようにと
祈願するお祭りです
施工者の方も
私たち設計者も
住まれる施主のかたも
現場ですごすはじめて時間は
一緒に祈願することから
工事ははじまります
建物の位置を再度確認をして
上棟に続いて
屋根工事のため
瓦の色きめです
現地の光の中で
確認をさせていただきます
工事監理の開始:段原の家
設計事務所の仕事は
施主の要望をカタチにし
図面化していく
設計の仕事と
図面通りに施工されているか
現場にて確認する
監理の仕事に分かれます
* * *
耐震偽装問題を受けて
工事監理にもガイドラインができてきました
(監理内容)
同時設計士の業務に対して請求できる
報酬の基準の指針もできました
* * *
一般的に建物は
設計者と監理者が木造の建物でも必要です
監理者により契約内容により
仕事範囲がきまり料金にも反映されます
* * *
「現場のやり方が終わりました」と
現場管理者(現場監督)の報告を受けて
図面通りの位置にやり方が出ているかを
確認しました
(図面の通り芯のようなもの)
いよいよ工事開始とともに
工事監理の仕事が始まります
基礎の配筋検査:段原の家
木造住宅の基礎は
一昔前は石が基礎の役割をしていましたが
現在は鉄筋コンクリートが主流です
* * *
鉄筋をチェックするポイントは
鉄筋の径・継ぎ手の長さ・
コンクリートのかぶりあつなどです
* * *
コンクリートの部分は
打ち込みの日以降強度が増してくるときの
天候が影響するので
予測してコンクリートの質を決めていきます
基礎完成:段原の家
昨年末コンクリートを打ち込んだ
基礎が完成しました
* * *
土台と基礎をとめる金物
アンカーボルト(写真の短い金物)
柱を基礎をとめる金物
ホールダウン(写真の長い金物)
が施工されています
* * *
1週間に一度の割合で
現場監理を
施工会社との打ち合わせを行なっていますが
今回は現場にて
寒空の中・パイプイスに座って
太陽の光の暖かさを感じながら
現場最前線を感じて
なぜか楽しかったです
お付き合いいただいた方々
風を引いてないとよいですが
木材入荷:段原の家
プレカット工場に材木のチェックに行きました
木造の構造体となる
土台・柱・梁です
* * *
柱と土台は県産材および近県の桧材
梁は米松材を使います
* * *
工場の中にある材木のほとんどが
集成材で材木を接着材で貼り付けたものです
世の中の流れは工場でつくられる材木
品質管理しやすい方へ向かっているようです
材木は水分が15%くらいの時に
強度が一番強くなります
昔は時間をかけて自然に乾燥させていましたが
今は機械の中で乾燥させてしまいます
* * *
設計者としては
どちらの材料の良さも理解して
適材・適所で使えたらよいと思います
木材きざみ:段原の家
プレカット工場で
機械で加工できない部分を
大工さんに手仕事で加工してもらいます
梁の渡りあごの部分
長ほぞ部分
棟上当日:段原の家
8:00
施主・大工さんと工事関係者集合
建物の四方をお清めして
工事開始です
土台までは
上棟準備で施工されているので
1階の柱から
長ほぞの柱は自立してしっかり立ちます
タルキを施工
段原再開発地の一角に建ちあがりました
木組みから:段原の家
使用材料の確認や
図面通りに施工されているかという
監理の仕事は今日はおいておくことに
* * *
棟が上がったあと
現場に誰もいない時間にて
大切なチェックです
木組みができて
空間の骨組みが見えたので
想像してきた空間が
施主の方と話してきたものにできあがっていくか
化粧の梁とタルキを見せた内テラス空間
リビングからキッチン・ダイニングの見え方
リビングの窓からの光の入り方
階段がつくる空間の広がり
* * *
自分の体を空間の中に入れて
想像したものとの確認作業です
実はこの状態の現場が私は一番好きです
まだまだ先があるし
まだまだ変更もできる
設計は終わっていますが
出来上がるまでは
考えることは終わりません
木と金物:段原の家
在来木造は木を組むのではなく
木を金物で止めています
一体寿命をどのくらいで考えているんでしょうね
現在の建築基準法の仕様です
* * *
レフトハンズでは予算にもよりますが
・全体を手刻み木組みで
・木組みの良さをのこして金物と併用
などの木造を設計してきてます
今回は
渡りアゴを母屋と梁に
梁と梁のつなぎ目を追掛大栓継
柱と梁を長ほぞコミセンで
あと基準法のN値計算にて
金物をつけています
浴室まわり:段原の家
服を脱いですごす浴室
ユニットバスのまわりに外気が
入り込まないように
基礎パッキンをウレタンでつぶして
人通口を断熱ボードでふさいで
配管類をモルタルでうめておきます
ユニットバスも断熱材を張り込んだものですが
建物側にもウールブレスを入れたおきます
施主チェック:段原の家
施主の方と現場チェックです
シートがはりあがり
部屋がわかりやすくなったので
また同日に
キッチンの最終確認
床板の材料も決定したので
キッチンの器具と表面材の確認です
使い勝手と意匠的なことについては
できるだけ現場で
再度チェックしていただくことを
レフトハンズではお願いしています
レフトハンズ現場チェック:段原の家
実施設計図で明記して
レフトハンズでは次の検査をして
次の工程へ進むようにお願いしています
現場の監理の仕事のなかで
建物の性能(構造・気密・断熱)にかかわる部分は
丁寧に工程ごとチェックしていきます
施工者によって性能のばらつきがなくなるように
・構造金物の取り付け
(建築中間検査・瑕疵担保の検査もあります)
窓の取り付け位置
(意匠的なことですが枠の納まり等が決まってしまいます)
透湿防水シート
(破けていないか・空気がぬけるところがないか)
・通気胴縁の施工
(空気が下から上に流れるように施工されているか)
・断熱材の敷き込み
(欠損部分がないかどうか)
床板・天井板:段原の家
1階の床板
チーク無垢材が
はりあがりました
2階の天井材
杉の上小材が
施工されはじめました
1階リビングの天井材で
2階の床板
唐松の床板の裏面です
中間気密性能試験:段原の家
レフトハンズでは広島の気候にあわせた
住宅を設計することをこころがけております
今回は気密性能試験を行ないました
住宅の気密性が相当隙間面積3.2㎝2/㎡でした
1平方メートルに3.2平方センチメートルの隙間ということで
5.0㎝2/㎡以下となり
広島では気密住宅と呼んでよいことになりました
気密シートを張らないで
施工方法の工夫でできる数値です
気密補助材の内装などが施工されると
もう少し数値が
あがることを期待しています
断熱工事:段原の家
全ての外壁に同じように敷き詰められているか
現場でチェックします
施工場所によってバラツキがでないように
造作材:段原の家
内装の造作材は米松材を
塗装はクリアーで
窓枠は窓に取り付けると写真のように
くぼみに石こうボードを挟み込みます
TV台の施工がおわりました
石こうボードの下端部分は
幅木のくぼみ部分に
内装の決定:段原の家
日曜日
現場は職人さんたちはお休み
のんびりと春のあったかい陽射しのなかで
内装材をお施主さんと現場で決定しました
大きなサンプルを壁にあてながら決めていきます
次回からは
押しピンを忘れないようにしよう
たたみの縁です
純綿100%でできています
最近のものはポリエステルでできています
タタミ表の色がかわるように
縁も色がかわるものを今回は選択
設計段階の打ち合わせで
お施主さんが
備後タタミについて話してくださいました
どのグレードの畳を指定するか勉強しました
国産の麻糸で織り込んだ畳表を使うことに
お茶の世界ではタタミの目の数で
決められていることもたくさんあるようです
クロス工事①:段原の家
内装工事が着々と進んでいます
木部の洗いが終わり
リボスを2回塗りして
次は壁の仕上げです
繊維を織り込んだクロスは
ビニールクロスよりも厚く折り曲げたりするのが難しいので
まずは糊をつける量の調整をして
さらに糊をつけた状態で30分くらい置いておくそうです
そうするとクロスがやわらかくなり
さらにノビがでてしまうので
壁に貼ってからは動きがなくなり
きれいに施工できるそうです
現場監督・設計者・西武の方と
3人が見守るなか
クロスの職人さんが一枚目をはられました
ビニールクロスにくらべて
やはり施工時間はかかるようです
建具工事:段原の家
米松材で加工された建具枠に
次々と
建具がはめこまれていきます
格子戸完成
上げ下げ障子(和紙未施工状態)
クローゼットドア(クロスは未施工状態)
お気にいりの場所:段原の家
現場の職人さんたちに人気のある場所
2階のホールです
テラスのデッキもくみあがり
さらに気持ちの良い場所になりつつあります
* * *
つかいやすそう
気持ちよさそう
階段がのぼりやすい
今回は現場でいっっぱいほめていただきました
* * *
実感をしていただけると
とてもうれしくなります
植栽工事:段原の家
更地の土地に家が建ち
外構工事が進められ
樹木が植えられました
木々は家を引きたて
街をここち良いものにしてくれます
完了気密性能試験:段原の家
中間気密性能試験を受けて
工事が完了した時点での状態を測定をしました
測定していただくのは
ハウスプラス中国の方です
家の気密性が相当隙間面積1.6㎝2/㎡でした
1平方メートルに1.6平方センチメートルの隙間ということです
前回の半分
2.0平方センチメートルを切ったので
気密住宅から高気密住宅へとかわりました
経年劣化のことも考えると
湿度の調節のできる気密住宅ということに
広島の地にあった気密住宅ができあがりました
照明がともりました:段原の家
完成見学会:段原の家
6月18・19日と完成見学会を開催しました
レフトハンズで家を
建てられた方にきていただいたり
懐かしい顔に出会えたりと
営業的にはどうですかね?という感じですが
家を温める”ハウスウォーミング”的には
のんびりとくつろいでいただき大成功
いろんな方と家について話させていただけたこと
その場所を提供していただいた
施主の方・工務店の方に感謝です