あさおか台の家

温熱環境と構造補強

コンセプト⑤温熱環境と構造補強:あさおか台の家

団地なので

隣地の敷地の擁壁が

そこから雨水が流れてくることもあり

湿気が多く苔の生えている家の南側

奥に見える物置を壊して

通風よくすることに

コンセプト⑤温熱環境と構造補強:あさおか台の家

床下に潜ってみると

大工さんの忘れた道具がさびていました

床下の環境をよくするため

床下換気扇を

コンセプト⑤温熱環境と構造補強:あさおか台の家

前回の塗装でふさがれてしまった通気口

ここから空気を取り入れて

屋根裏の一番高い部分から

熱気を抜くための換気口を

地球沸騰時代に備えます

 

コンセプト⑤温熱環境と構造補強:あさおか台の家

外壁や内壁を変更する部分は

構造補強をしてから仕上げを変更

大きな空間DKを支える鉄骨の仕口部分

 

コンセプト⑤温熱環境と構造補強:あさおか台の家

添え柱をして

大きな空間をこれからも支えます

父の設計

コンセプト④父の設計:あさおか台の家

私が小学3年生の時に亡くなった父

家について話をしたことはありませんが

この家を通して

考え方を想像することが今はできます

現在は引き戸の玄関ですが

竣工当初はドアでした

今改装でまたドアに

さらに玄関の空間の魅力を高めます

 

コンセプト④父の設計:あさおか台の家

玄関につく階段と

そこから続く2階のホール空間

それ以外は部屋から部屋に移動で

狭い廊下はありません

 

コンセプト④父の設計:あさおか台の家

2階の子供部屋は

6畳間が3つくっついた空間

いろんな使い方をして子供時代を過ごしました

合板の壁が印象的な空間です

コンセプト④父の設計:あさおか台の家

家の真ん中はDK

2世帯だったので

つい最近まで冷蔵庫も食器棚も2つ

それでも余裕の大空間

この広がりをもつ場所は祖母もお気にいりだったよう

その時代の照明・家具も再配置する予定

コンセプト④父の設計:あさおか台の家

時代的に洋が流行りはじめていたのでしょうが

父は和室もつくり

地窓を多用しています

写真の場所は窓を設計士さんが書いていたので

南からの光をいれるため

窓に変更することに

唯一窓の間取りの変更です

たくさんの選択肢はありましたが

父の設計時の間取りをいかしての

改装にすることにしました

今の生活を豊かに

コンセプト③今の生活を豊かに:あさおか台の家

1間半の大きな窓

ここからの風景が母のお気にいり

ちょこんとついているテラスを

いろいろなことに使っています

コンセプト③今の生活を豊かに:あさおか台の家

さすがに木製のため劣化が激しいので

建物全体の構造補強も含めて

新規のテラスをつくることに

2階はテラスとして

1階は玄関へのアプローチ

半戸外のスペース

現在玄関前でひなたぼっこする

母のスペースを快適に

高齢の母の家

コンセプト②高齢の母の家:あさおか台の家

引っ越してきた時から

ずっと生活スペースが2階の母

膝を痛めていることもあり

階段を上がるのが困難になる日がくるでしょう

1階で暮らす準備を

 

 

コンセプト②高齢の母の家:あさおか台の家

生活を始める時のために

収納部分を増設

1階が暗いイメージを変えるため

一部窓を設置

コンセプト②高齢の母の家:あさおか台の家

1階すべてを

車いすで行き来できるようにフラットに

扉をすべて引き戸に

 

外壁のメンテナンス

コンセプト①外壁のメンテナンス:あさおか台の家

外壁のメンテナンスを始めるにあたり

母が育てている緑を

まずは別場所へ

コンセプト①外壁のメンテナンス:あさおか台の家

改めて外壁を見渡すと

・アルミサッシ

・設備の配管

・雨どい

・庇

・木のテラス

といろんなものが設置されている

外部の塗り替えをする前に

これらの状態を確かめ

どうするかを決めます

予算のかかり方が変わります

 

コンセプト①外壁のメンテナンス:あさおか台の家

・アルミサッシは

鍵も壊れ・単板ガラスなので取り換えることに

・設備の配管は

再配管直しをすることに

あわせて現在の設備の状態を調べてもらうために

・雨どいは

一部取り換えであとは塗り替えを選択

次回屋根を交換する時期に取り換えすることに

・庇は

さびて穴が開いている状態なのでガルバニウムで葺き直し

・木のテラス

劣化が進んでいるので撤去

新しいものを新設

コンセプト①外壁のメンテナンス:あさおか台の家

ひびが入って劣化がひどい部分は

モルタル壁をはがして

合板でモルタル下地になる

ラスカットを貼って

外部から構造補強も行います

改装の目的:あさおか台の家

改装の目的:あさおか台の家

改装を始めるにあたり
荷物を整理している中で見つけた写真
祖父母はすぐにお庭をつくったよう

あさおか台の上り口には
愛魚園という鯉屋さんが
近隣にはたくさんの園芸屋さんが
池に鯉がおよぎ
玄関には迎えの松
これが当時のお庭が流行りだったよう

改装の目的:あさおか台の家

家の方は
父が建築雑誌を読みながら書いた
プラン通りに施工されている
(ノートに残っている)

このGIという雑誌の
カルフォルニアに建つシーランチの住宅群が
好きだったのではないかと推測する
屋根の形状はスケッチと違っているが
要するにモデルはアメリカである

改装の目的:あさおか台の家

父が他界してしばらくして
玄関は引き戸に
屋根は瓦に
外観はお庭に合わせて和のテイストに

改装の目的:あさおか台の家

今回の改装は施主は母
あまり細かいことを聞かずに
図面を書き始める
なんでもできるけど
何をするか悩み始め
以下の内容にしぼることに

①劣化した外壁のメンテナンス
(屋根まわりは工事しない)
②高齢になった時の母の生活場所の整備
(主に1階)
③今現在の生活をさらに楽しめる場所をつくる

(主に2階)
④父の家への設計の思いを進化させる

⑤上記の工事をする中で構造の強化と温熱環境の改善

改装の目的:あさおか台の家

母のこれからの家
私や兄弟の実家
祖父母が最後まで家で暮らすことにこだわった家
親族にとっての本家
これからもここへ来る人たちが
快適に空間を楽しんでもらえるように

改装の時期:あさおか台の家

改装の時期:あさおか台の家

写真の外壁のひびは
2001年の芸予地震の時にできたもの
私は事務所を開設したばかりで
あまり知識もなかったため
内部や屋根に変化がないことを良いことに
そのままに
ひびにコーキングをしただけで済ませていた
祖父祖母82・81才の春
1回目の改装チャンス

改装の時期:あさおか台の家

2012年
窓の向こうの浴室の換気扇から
水が滴り始める
2階への給水管の劣化
ピンホールができていた

在来工法のお風呂からUBに
全ての住設をその時にやり替える
この時祖父祖母は93・94才の春
家にずっといることが増えていた
この時期に足場を組むのはためらわれた
同居する母にこれからのことを聞くと
まだ先のことは決められないと
最小限の工事にすることに
2回目の改装チャンス
100才まで生きた祖父祖母の家だったため
だれが支払うのかと
相続はだれがするのか等考えると
そのままという選択に

改装の時期:あさおか台の家

外壁はすでにぼろぼろに
改装の時期はとっくに過ぎている

祖父祖母も他界して
相続も私がしたことにより
家の管理をしていかなければいけない立場に

コロナで母は家にいることが多くなったので
庭に好きな木を植えて楽しめるようにしたところ
老後もこの家に住み続けたいと

母81才の初夏
やっと改装開始です
夏は避暑に姉の住む釧路へ行くので
その期間でできるところまで

改装の時期:あさおか台の家

建設当初は屋根は軽いコロニアル葺き
その後瓦を上からかぶせて施工

竣工後
荷重が増えたことにより
家にゆがみをもたらしているよう

改装の時期:あさおか台の家

この家の将来はわからないけど
母がこれから20年住むのに
快適に楽しく暮らせるような改装を

あさおか台の家について

あさおか台の家について

広島市の郊外団地
あさおか台
昭和47年竣工の私が育った家
植樹して緑あふれるお庭になりました

あさおか台の家について

スレート屋根を瓦に葺き変えた以外は
大きなメンテナンスをせず
築50年を過ぎ
今は母が一人暮らし
これからの生活を考え
少し改修することに

あさおか台の家について

国鉄に勤めていた祖父母が
駅の官舎くらしから解放された時に
建てた家
工事中の家との記念写真が残ってました

設計は素人の父
建築雑誌をみながら間取りを考えた家
施工は太平住宅
在来木造専門の住宅メーカー

あさおか台の家について

最初は7人でくらしていました
1階が祖父母
2階が私たちの家族です

あさおか台の家について

確認申請書の図面をもとに
現調をおこない
ご要望の金額でどこまで改修できるか
乞うご期待