宮島口の家:move move
空き家となった実家を改修し、二階の窓からの風景を次世代に受け継ぎながら、身障者とともに二階で暮らせる住宅を計画しました。玄関から二階への移動は、スロープや長いベンチ、車いす収納を設け、緩やかで広く明るく整えています。
リビングや居室は天井の形状や断熱、棟換気、遮熱断熱窓で暑さを調整。外の景色を取り込みつつ、二階の快適さを保つ設計です。
二階は廊下をなくした大きなワンルームとし、視線が通る広がりを確保。フロア内を車いすで行き来でき、キッチンなど危険な場所は分離。生活の中心を二階に置き、景色と動線を両立させた住宅になっています。
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※完成写真はページ下部に掲載しています。
スクロールしてご覧ください。
生活空間の2階まで移動をデザインする
広い玄関には
長いベンチと車いすの収納
階段スペースは
明るく・広く・緩く
降りるためのスロープ空間も設置
リビングの天井のかたちを変えて
屋根裏の暑さが直接リビング伝わらないように
断熱材をいれ・棟換気を設ける
窓は遮熱断熱窓に
大きな窓の景色がどこからでも見えるように
2階は廊下をなくして車いす移動ができるよう
また床に設置した移動でも肌に優しい素材で
キッチンなどの危険な場所へは
浸入しないように分離することもできます
知人からの紹介を受けて建築現場に
はじめましてのお施主さんと
2階テラスからの宮島の風景を見る
売ること考えていた空家の実家に
母娘のふたりの生活の拠点をつくりたいとのこと
施主さんは私と同世代の女性
娘さんは生まれながら筋肉に力が入らず
階段は上がれるけど降りることが難しい
快適な生活を求めて
いろいろな可能性を検討していくことに
現況把握のための平図面を走り書き
見学会の開催を予定していたので
その場所に娘さんを連れて来ていただきました
スロープや階段を歩いてもらって
動く様子を見させていただきました
どのくらいのことが今可能で
これからのできなくなることも含めて検討です
改築の事例を見ていただくことで
改築の可能性がどこまであるのかを
体感で知ってもらえればと思います
設計依頼をいただく前に
家の持ち主であるお父様との面会
どこまで改築をおこなってよいかを
施主と一緒にお聞きしました
その後
建築や家具や街に対しての
お父様の考え方をお聞きしました
体が不自由であるならば
1階に住むのが良いと思いますが
生活の質・こころのあり方を考えた時
この場所では2階を選ばれるのは必然
2階だけで暮らせるように考えていくことに
2階に上がるだけであれば
・ホームエレベーター
・階段昇降機
をつければよいのですが
事前にメーカーの方にお聞きして
この現場でつける手続と金額をお話しました
1日1回の利用と考えた時
エレベーターは不必要ということに
娘さんが福祉施設の階段を下りていたお話を聞き
階段の角度
斜路の角度を変えて
家を考えていくことに
家のどこで何をするかを検討していくのが基本設計
外壁や屋根の改装の予定はしてないので
窓は既存の位置にてプランを考えます
窓の性能アップはする予定です
リビングは
2階のテラスに面した部分ですでに決定済
既存住宅の階段は家の大きさに似合わず急勾配
勾配を変えた階段をかけるのか
階段の位置もいろいろと変えて
スロープ案も
すべり台案も
趣旨を説明しました
ゾーニングの検討をしてる間に
娘さんと事務所に来ていただき
蹴上が190の我が家の階段を試していただきました
上がるのは可能ですが降りるのはお母様が支えながら
階段でも緩勾配ならば可能性があるということに
数日後お返事をいただき
7番目の案に
スロープで上下階を移動する案用に書いたものでした
水回りの位置等が気にいられたよう
(家相・風水的にも)
上下の移動はさすがにスロープだと
時間がかかるので
同じ場所で
階段と
すべり台つくることに
写真の和室の角で階段が上がり終わりです
今住んでいる家にお邪魔して
持って行く家具
暮らしぶりについても伺いました
お風呂・トイレ・キッチンをショールームで
大きさや仕様の確認をして
内部の仕上げもご提案のものを見ていただき
この改築が大方いくらかかるのか
概算見積をだして基本設計終了に
予算のことを考えながら
実施設計図を書いていくことに
工事の概要を決める時
お施主さんから何度も予算を聞かれますが
建築では定価というものがなく
お答えするのが実に難しい
値段が出てから決めたいということもあるので
今回は工事するかもしれないものを
すべて見積をとってみることに
予算を見ながら工事の範囲を決めることにして
そんなことを実施図面にもりこみ作成
レフトハンズでは施工者選定サポートとして
①設計図の内容を現地で工務店に説明
改築の場合は現地にて設備や構造の状態を工務店さんと一緒に再度確認します
②設計図に対する質疑に応答
見積の幅を持たせている部分の意味の説明
③提出される見積内容のチェック
見積落とし・重複などと数量のチェック
④施工者選定への助言
見積からわかる工務店の特性の説明
⑤工事の内容決定および工事内容変更の協議
予算の中からできる工事の決定 仕様の変更
⑥工事請負契約締結への補助をおこなっています
今回は自分たちが使う2階とそこへ至る玄関・階段まわりをだけを
仕様を変えないで改築することに
骨組みの変更部分が3か所あるので
結構な工事量になります
最初にでてきた見積から700~500万円減額で工事契約に
宮島の鳥居の改修工事も終わり
現場から朱色の鳥居を見ることができるようになりました
現場監督と施主と一緒に
現場に残されているものをどうするかを確認
(図面に書くほどでもない細かいものを)
見積時に仮に決めていた
ユニットバスの内容をショールームにて再確認して発注
年明けからの解体工事を前に
工事しない部屋の養生
解体の指示にシール
サッシの取外しの位置等を現場か確認しました
新年明けて3日間でおおよその
住居のメインになる
柱などの構造体の差し替えは
大工さんが入ってからになります
もともとの大きな空間を支えている
数少ない柱を残して
さらに何本か柱を入れて
改装の一番の目的
階段とすべり台がかかる部分の床の解体
お施主さんのお話を聞きながら
できあがりの空間を再度現場で確認
大きな階段空間ができあがるのが楽しみになりました
大工工事が進み始めました
居間の部分の天井の下地工事
この工事を含め
居間の暑さ対策工事が進んでいきます
既存の斜め天井を
水平の天井にして空間の体積を減じて
空調機が効きやすいようにします
大きな開口部のアルミサッシは
断熱サッシで光の入る量を軽減します
屋根裏の暑い空気がたまらないように
棟換気口を設置します
(屋根登ってまでの監理はできませんが後日写真が提出されました)
2階でワンフロアーで生活できるように
ユニットバスを2階に設置
お風呂と脱衣は
南側からの光を利用して
明るく快適に
お水が入ると重量があるので
構造の補強が必要になります
床から天井まで
2700ミリの平らな天井ができました
工事前は斜め天井で
断熱材は入っていましたが
きちんと施工されていなかったようで
とても暑いリビングでした
この窓から見える風景の背景となる天井を
デザイン設計しました
お化粧の意匠はまだほどこされていませんが
他の部分は
既存の天井高をいかして
壊す部分を少なく設計・施工していきます
あそび場にあるすべり台を
移動手段として家につくり付けます
上下移動を容易にするために
階段とすべり台の骨組みが出来上がりました
つくった大工さんが一番にすべってみたら
滑りすぎでないかということで
現場監督さんが
シートやカーペットをひいて
すべり止めを考えてくれましたが
体重の違いで滑り具合が違うため
施主さんに来ていただいて
手すり・スベリ具合を調整することに
私も滑りましたがちょうどよいくらい
化粧柱も現場に搬入されました
設計図通りにつくっていただいた
すべり台と階段
本日は施主の娘さんに来ていただいて
さらにフィットする上下移動空間つくりへ
娘さんは生まれながら筋肉に力が入らず
階段は上がれるけど
降りることが難しいとお聞きしていたので
上りはゆるい階段
降りるときはすべり台利用と考えていました
既存の家についていた階段は
勾配がきつく
ホームエレベターも考えましたが
メンテナンス費用・役所の申請などのことを考えて
階段とすべり台に
施主・施主の妹さんにお手伝いいただき
現場監督・大工さんとで見守りながら
何度も階段を上がり
すべり台をすべっていただきました
すべり台は体重にもよるのですが
すべりは良好
下に行くほど加速するので
下部三分の位置ぐらいで勾配を変えることに
さらにおきあがりやすいように
最後は高さ300の椅子状態へ
階段は手すりとも良好なようで
自分の力で降りることが可能なようでした
下る時の選択肢が増えました
微調整しながら仕上げをしていきます
どの建設現場も工期を決めて工事が始まります
現場監督以下職人さん達も
その中で最高のパフォーマンスをしていただきたい
建具屋さんが建具の測量に来られた時
建具枠の施工の不備をそれとなく伝えてくれました
矩が出ていない
図面通りに施工されていない
自分の仕事ができないからです
お施主さんに来ていただき
階段とすべり台の仕様決定後のことだったので
残念でしたが
技術と仕事に責任感のない大工さんには帰っていただき
現場をしばらくストップすることに
お施主さんにご理解いただき
再スタートをすることに
現場を一度掃除して
新しい職人さんを迎えることに
設計図書があり
さらに施工図があるのに
それをかたちにする技術がない大工では困ります
工期は大切ですが
それ以上に建物が大切です
人が作るものにはやはり人がでる
現場が再開して
リビングの天井も仕上がりまであと一歩
建具工事・家具工事も進んでいます
改装前の和室部分は
階段の上のホールに
大きな梁が入った大空間だったリビングは
化粧柱を設けて梁のたわみ受けに
区切られた階段室に面した部分に作業机を設置
工事中は現場監督さんの作業机に
階段室の大きな空間に
風と光を取り込む
内部建具が取り付けられました
竣工目前工事がお休みの日に現場へ
写真撮影を行いました
この家に住むことで一番の恩恵
工事の最終チェックをしながら
撮影をすすめました

サッシ変更前

改築前

改築前

改築前のキッチン

改装前のLD

改装前のリビング

和室の床を抜いて階段に

階段スペースはそのまま階段の一部に

改築前の階段室