樹木と建物

建物を西日から守るための欅並木
山形・酒田の山居倉庫の景色
どちらも残っている幸せな関係

青森・弘前の長勝寺参道
参道にはお寺がたくさん
こちらは建て替えがおこなわれていますが
参道の樹はそのままに

秋田・男鹿半島
なまはげ伝承館裏の神社
山の中に建てられた祠は樹に囲まれている

山形・羽黒山
国宝五重の塔と杉並木
建物より年長の杉も点在する

山形市内の博物館
山形城内にもってこられた建物は
樹と一緒に保存される
2022/10/11
土門拳記念館

若い頃好きな建築はと聞かれたら
フィンランドのアアルトのイマトラの教会を見に行くまでは
土門拳記念館と答えていた覚えがあります
この夏再び酒田へ出かけたので
追空間体験へ
前回訪れた時は大学四年生になる前の春休み
建築の詳細については理解をしていなかったので
空間構成のみを追っかけていた
体験的にはリアルに思い出せる
その空間の構成が
土門拳さんの写真との向き合い方を
見ているような感じを受けて
空間づくりとはそういうものかと感動しました
今回の展示はいろんな手の写真
前回の時は展示は手ではなかったけど
手の写真集を買ってきていました
そんなことも忘れて
事務所の名前を決める時に思いついた
レフトハンズ
いろんな時間が重なってみる
土門拳記念館は大切な場所になりました
好きな建物ではずっと座っていることができる
2022/10/07
奥の細道

東北を旅していると
松尾芭蕉の名を目にすることが何度か
旅スキの私でも
芭蕉43才にして150日の旅は驚きに値する
それも徒歩にて
永遠に変化のないものごとの本質「不易」
ひと時も停滞せず変化を続ける「流行」
この両面から俳諧の本質をとらえようとしていた芭蕉
建築もその両面において成り立っているが
不易の部分に目をやることを忘れた建築は
もはや建築でもないような気がします
2022/08/29
駒蔵

時々ずーっと
見ていたくなる建物に出会います
この駒蔵もその一つ
いろいろ考えてこの形になったんだろうなと
想像しながら

蔵というのは
大事なものをしまって置くところ
火から守るための知恵がいっぱい
別棟でつくられ
漆喰の壁が厚くつくられ
さらに屋根部分も漆喰でしあげて
その上に二重に屋根がかけて
温度の変化からも守る

軒の部分は
伊豆石で作られて
かたちと素材のバランス面白い

内部の木組みのリズムも
井桁上に組んだ梁
見ごたえのある建物
知恵がつまっている
その上でのデザイン性
こういう建物をつくりたい
2022/03/08
ぬり壁の色

旅先で見る日本建築
和室などの色で
時々ぎょっとするほどの色と出会います

左官の材料に色粉を混ぜて
壁の色をつくりだすのでしょう

柱や梁で囲まれた壁は
それぞれがキャンパス
好きに色をつけてもよいのではと
ハーフビルドの家で色をつけてみました
色も特注色の赤と青

青はLDK部分に
赤は縁側だった場所と仏間に

畳
和紙
ふすま紙
天井板
いろんな素材をひとつにまとめる色の力はすごいです
思い切った色使いもよいものです
塗り替えもできますから
2022/03/08
外壁の色(北欧)

北欧の郊外住宅
木の板張りを見かけますが
色は様々
あか
あお
きいろ
みどりと

急傾斜な山が多い日本と違って
なだらかなのか
地盤がかたいからなのか
日本の街中を占める
きたない土木構造物はほぼ見当たりません

ノルウェーでホームステイした時
ラガハイドに教えてもらったこと
外壁の塗り替えは自分たちでするということ
色をつけるのは
雪にかこまれる季節も想定して

彼女の務める学校を見学したとき
教室の色もカーテンの色も様々
学年が変わったらみんなで選んで
教室の色を塗り替えるそうです
色を変えて
環境にアクションを起こすって
体験しておいた方が良いことですね
自分たちの環境は自分たちでつくれると

青い空はどこにでもある
みどりの木はどこにでもある
日本にも豊かな色の文化がある
けどこと街中の外壁の色を見ていると
色の問題だけでなく
庭と家の問題
土木構造物の問題
素材の色を大切にしてきた日本人が作り出す
今の街並みはいかに
2022/03/08
素材感

イタリアのピエンツァ
素敵な街角に出会って写真をとったら
集合住宅(持ち家か賃貸かわかりませんが)でした
レンガの壁に木製の建具
変換まわりの植栽は
焼き物の植木鉢のなか
日本の集合住宅は
工場で作られたサイディング
(レンガや木の柄がデザインされている)
アルミのサッシに時にはシャッター
プラスチックのプランター
どちらで生活したいかと言えば
素材感があたたかいイタリアの方かな
日本でも日本の素材で建てれますが
無機質な車のような家が
みなさんの世界観とあっているのかな
2022/03/01
キング・アンド・クイーン

ほんの少しだけ湯河原に滞在したことがあるので
大河ドラマ「鎌倉殿の13人」は見てしまいます
この彫刻は湯河原の隣町
熱海のMOA美術館に設置されています
ヘンリームーア作「キングアンドクイーン」
熱海を見下ろす丘の上の二人は
頼朝とさま政子にしか見えません
ここに設置された方のセンスを感じました
同じ伊豆山にある神社でお二人が愛を語らったといわれています
座ったであろう石も
2022/02/18
建物足まわり

家の改築工事をしていると
建物の足元について考えることが多々あります
古民家は
石の上に柱が建っていました
戦後の家は
コンクリートの基礎の上に柱が建てた状態
今の家は
家の予算よりオーバースペックの耐震のための基礎が
安全のためにつくられている
足元を靴に例えると
古民家は草履や下駄
戦後の家は小学校の標準靴
今の家は安全靴
とても重いな
そんなことを考えてこの写真を見ると
なんて素敵な足元のデザインだと思う
2022/02/18
おぼえている場所

先週画家ゴッホについての本を読んでいる時
でてきた町アルル
写真はアルル中心部なのですが
郊外の遺跡から歩いて中心部に戻る時
感じたひかりをいまでも思い出します
私でも絵がきれいに書けるかもと思うくらい
ものがよく見えました
湿度の感じか光の感じがたか理由はわかりませんが
写真には残してないけど
思い出す風景です
2022/02/12