詩仙堂にあこがれて
![詩仙堂にあこがれて](/wp-content/uploads/sk2024-22-1.jpg)
7年前の話になりますが
施主(知り合いの設計士さん)のご実家を見学させていただきました
既存敷地の段差と石積を利用
前面道路から見ると平屋
お庭からは2階建て
庭に面して広縁を挟み座敷と
庭からの躙り口から入る茶室
階下には石積みの壁に挟まれた
ひんやりとした空間
回遊式のプランで
ワクワクして見てまわりました
![詩仙堂にあこがれて](/wp-content/uploads/sk2024-22-3.jpg)
その見学の数か月前に
京都の詩仙堂を見ていたので
ちょっと面影を感じていました
建物は施主の祖父母の時代にたてられ
今手元にある図面と写真は
1964年のその後の改修記録になります
(施主の中学生の頃)
この建物に魅了されるのは
施主となる代々の方々が大工さんに注文をして
人が集まれるように(婚礼や仏教行事)考え続け
手を入れながら守れた空間があるからです
畳をひくことのできる広縁から
以前は呉市が海まで一望できたようです
![詩仙堂にあこがれて](/wp-content/uploads/sk2024-22-2.jpg)
今回の訪問は
屋根からの雨漏りが以前よりもひどくなり
この建物を残すのか
改修をどこまでするかと
ご相談があり
まずは相談業務の仕事として
再度、呉・平原へ
写真で詩仙堂の確認を
![詩仙堂にあこがれて](/wp-content/uploads/sk2024-22-6.jpg)
傾斜のあるお庭
門のあるアプローチ
お庭から見る建物など
似ていると感じていたことは
実際はそうでもなく
詩仙堂ホームページを見ていると
詩仙堂はただしくは「凹凸窠」と呼び
デコボコした土地に建てた住居という意味で
この段差のある敷地のことかと思いました
凹凸窠の中心に
四方に詩人の肖像画をあげた「詩仙の間」があることから
詩仙堂と呼ばれているそうです
![詩仙堂にあこがれて](/wp-content/uploads/sk2024-22-4.jpg)
改修のため
屋根や構造のことを理系の頭で考えながら
詩仙堂に思いをつなぐためには
呉・平原の家の石積みに囲まれた部屋こそがその場所だと
(施主のお父さんの書斎)
詩的な空間にあこがれる私はひそかに考えています
2024/07/05
日本のライフスタイルとは
![日本のライフスタイルとは](/wp-content/uploads/sk202420-3.jpg)
デンマークを訪れた時
コペンハーゲンで水路を船で遊覧した
水を感じる都市でした
そこで訪れた
デザインミュージアムデンマークで
見た日本に関する展示たち
![日本のライフスタイルとは](/wp-content/uploads/sk202420-7.jpg)
空間・家具・衣服・陶器・金属製品と
多種多様なものが
その影響を受けたプロダクトと
一緒に展示されていました
![日本のライフスタイルとは](/wp-content/uploads/sk202420-6.jpg)
先日見た
アアルトがデザインした家具群
そのなかでもティートロリーは
英国の紅茶文化と日本の木工技術に影響を
![日本のライフスタイルとは](/wp-content/uploads/sk202420-5.jpg)
今の日本のライフスタイルというと
どんなものを皆さんは思いうかべますか
広島のライフスタイルとは
![日本のライフスタイルとは](/wp-content/uploads/sk202420-9.jpg)
同美術館に展示されていた
ベーカリーアンデルセンのロゴです
2024/06/14
雲の上のギャラリー
![雲の上のギャラリー](/wp-content/uploads/sk202410-5.jpg)
日本の伝統的な木造建築で
柱の上に使われる『トキョウ』を
構造とデザインにしたギャラリーです
![雲の上のギャラリー](/wp-content/uploads/sk202410-3.jpg)
2012年に見学に行ったときは
ホテルとお風呂をつなぐ橋でしたが
現在は木の橋ギャラリーとして使用されています
![雲の上のギャラリー](/wp-content/uploads/sk202410-2.jpg)
旅の途中で沈下橋を見に行きました
どことどこをつないでいたのだろう
ただ沈下橋のありかたを体感しに
![雲の上のギャラリー](/wp-content/uploads/sk202410-1.jpg)
ホテルがなくなり
機能を失い
ただ橋として残っている時
かたちにとても意味が出てきたのでしょう
![雲の上のギャラリー](/wp-content/uploads/sk202410-4.jpg)
この形状のはしでなければ
ホテルとともに建て替えだったのではと思うと
残る建築・残る木の橋ということに
集成材が時間を得て
重ねた木材の層より
組み物により一体化していることに目が行くように
巨大な木のオブジェとして
2024/03/30
空海ドーム
![空海ドーム](/wp-content/uploads/sk202408-4-scaled.jpg)
瀬戸大橋博1988年に竣工した
イベントプラザ空海ドーム
1989年に大学に入学した時の現代建築論のなかで
木島先生がこのドームについて
熱く語られていたことを思い出しました
![空海ドーム](/wp-content/uploads/sk202408-2-scaled.jpg)
今回訪れてみての感想
・集成材で組んでいるのにとても軽やか
・ドームで切り取られたラインがとてもきれい
・空海のネーミングにデザインのコンセプトを感じる
・細かい意匠の配慮がドームの形状を引き立てている
![空海ドーム](/wp-content/uploads/sk202408-1-scaled.jpg)
地中海建築を研究されていただけあり
円形劇場への思いも
すべての寸法に意味がありそうです
ただ座っているだけで
瀬戸大橋ができた時のことに思いを寄せることができそうです
ぜひ訪れてみてください
![空海ドーム](/wp-content/uploads/sk202408-3.jpg)
2024/03/28
タテタテヨコヨコ
タテタテヨコヨコという言葉を年始に聞いて
それから建築空間のなかでの
タテタテヨコヨコを考えはじめ
たては上空への広がり
よこは平面での広がりと理解
そうして欧州旅行写真を見ていると
いつも両方がわかりやすく存在していることに
気が付きました
フラット街を歩くだけで基本の構図が身につくように
![タテタテヨコヨコ](/wp-content/uploads/P1060838.jpg)
□トリエステ・イタリア統一広場
![タテタテヨコヨコ](/wp-content/uploads/P1060001.jpg)
□ドゥブロブニク ドミニコ会修道院へ
![タテタテヨコヨコ](/wp-content/uploads/P1080473.jpg)
□パリ セーヌ川とノートルダム大聖堂
![タテタテヨコヨコ](/wp-content/uploads/P1070605.jpg)
□リスボン コルメシオ広場と凱旋門
![タテタテヨコヨコ](/wp-content/uploads/P1070851.jpg)
□アゲダ アンブレラスカイ
夏の暑さを防ぐための傘だったそうですが
インスタ映えで有名になりましたが
傘が作り出す通りの空間 横の広がりと
傘から透けて見える空 縦の広がりが
このお祭りのすごいところだなーと思います
2024/01/31
アートプラザ
![アートプラザ](/wp-content/uploads/DSC03209.jpg)
磯崎さんの作品を見たのは
大学時代に熊本から広島に帰る途中
北九州市の美術館と図書館と2つ
まだ設計課題もしてない頃でしたので
空間の記憶があいまいでした
![アートプラザ](/wp-content/uploads/DSC03243.jpg)
アートプラザに足を踏み入れて
あらためて磯崎さんのすごさに気づきました
とにかくわかりやすい
これは公共建築には大切な要素だと思います
![アートプラザ](/wp-content/uploads/DSC03203.jpg)
コンクリートを木造の組み物のように
軽く見せている
![アートプラザ](/wp-content/uploads/DSC03201.jpg)
空間構成と
ディテールの意味が重なっていることなどなど
私がめざしたい建築を
体感することができて幸せな時間でした
もっと磯崎作品を見ようと思いました
2023/05/07
風の丘葬祭場
![風の丘葬祭場](/wp-content/uploads/DSC03195.jpg)
葬祭場の見学に向かい
そこが古墳のそばであることに
立地の妙を感じました
![風の丘葬祭場](/wp-content/uploads/DSC03198.jpg)
こう配屋根の角度が気になって
ぼーっと見ている私です
![風の丘葬祭場](/wp-content/uploads/IMG_20230314_155735.jpg)
コンクリートのディテール
![風の丘葬祭場](/wp-content/uploads/IMG_20230314_160346.jpg)
手すりの作り方と
光の取り込み方
![風の丘葬祭場](/wp-content/uploads/IMG_20230314_160920.jpg)
アプローチのフェンスのディテール
かたちをつくる面白さを
思い出させてくれる建物でした
2023/05/06
ゆうステーション(道の駅小国)
![ゆうステーション(道の駅小国)](/wp-content/uploads/IMG_20230314_112347.jpg)
大学入学してすぐの5月くらいに
小国町での宿泊研修に参加しました
![ゆうステーション(道の駅小国)](/wp-content/uploads/DSC03114.jpg)
その時おとづれたゆうステーションは
バスターミナルだったと思いましたが
今は道の駅も兼ねています
![ゆうステーション(道の駅小国)](/wp-content/uploads/DSC03104.jpg)
単純明快な形とガラスで
子供の頃訪れた
広島にあった丹下さんが設計した
児童図書館を思い出しました
![ゆうステーション(道の駅小国)](/wp-content/uploads/IMG_20230314_111355.jpg)
天井はべニアであることに
今回気が付きましたが
30年以上も前の建物ですが
木のトラスの軽やかさは
今でもずば抜けていると思います
![ゆうステーション(道の駅小国)](/wp-content/uploads/IMG_20230314_111517.jpg)
2023/05/05
八代市立博物館未来の森ミュージアム
![八代市立博物館未来の森ミュージアム](/wp-content/uploads/IMG_20230313_181120.jpg)
芝山のスロープをあがったところに
博物館の入り口
丘の上にある軽やかな空間
アプローチと建築空間が一体でデザインされたものを
はじめて見たのがこの博物館でした
![八代市立博物館未来の森ミュージアム](/wp-content/uploads/IMG_20230313_181305.jpg)
いまでは普通のことのように
環境と建築空間が一体で設計されていますが
この博物館が建つまでの
美術館や博物館とは様相が違います
![八代市立博物館未来の森ミュージアム](/wp-content/uploads/DSC03064.jpg)
軽やかな屋根が空間を包みます
![八代市立博物館未来の森ミュージアム](/wp-content/uploads/IMG_20180514_084519.jpg)
こちらは水前寺公園
![八代市立博物館未来の森ミュージアム](/wp-content/uploads/IMG_20180513_140530.jpg)
こちらは阿蘇の風景
熊本の環境との一体感
優れたデザインは色あせないと思います
2023/05/04
県営帯山A団地
![県営帯山A団地](/wp-content/uploads/IMG_20230313_150819.jpg)
大学三年生の時にバイトで
この建物の竣工模型のお手伝いをしていました
いろんな建築の話を聞きながらの作業でした
大学のなかにはない空気をすっていたような
![県営帯山A団地](/wp-content/uploads/1682715598167-002.jpg)
帯山団地に設けられたスカイウォーク
建築を勉強している姪っ子と一周
となりの保田窪団地との違いを話しながら
![県営帯山A団地](/wp-content/uploads/DSC02997.jpg)
保田窪団地の広場は
住人だけがつかえる広場で
内側は外に開いていません
帯山団地はスカイウォークを含め外に開いています
建築家が公共団地のプログラムの提案をするのを
大学時代にしっかり見せていただきました
![県営帯山A団地](/wp-content/uploads/IMG_20230313_145549.jpg)
30年たった現在訪ねてみると
帯山団地のもつやさしいデザインに気づくことができました
またどちらの団地も
建築物の持つプログラムを理解した住人が必要だと思います
それを楽しんでくれるような
民間であればそういう人を募集できるのでしょうが
2023/05/03