道後温泉本館 松山に何度も行くのだけれど 道後温泉に入ったことが無かったので 改修中ではありましたが 本館のお風呂につかりに行きました 在来木造の良いところは 改装・改築が簡単におこなえるところ 平面図を理解していないですが 改修を重ねてこんな大きな建物に わけのわからないところに 入り込む感じがワクワクします あとから建物を見回すと 外から見ると入り口がたくさん 改修中は霊の湯のみ営業 こちらの入り口から 神の湯への入り口は3か所 以前はこちらから 身分と性別で入り口が分かれていたそうです 現在のメインの入り口は 温泉街の商店街に向かって開けています 舗装工事の最中でした 屋根が切り返しが多いのが 位が高い、地位が高いということでしょうか こちらの入り口は皇室用です 2024/04/01 雲の上のギャラリー 日本の伝統的な木造建築で 柱の上に使われる『トキョウ』を 構造とデザインにしたギャラリーです 2012年に見学に行ったときは ホテルとお風呂をつなぐ橋でしたが 現在は木の橋ギャラリーとして使用されています 旅の途中で沈下橋を見に行きました どことどこをつないでいたのだろう ただ沈下橋のありかたを体感しに ホテルがなくなり 機能を失い ただ橋として残っている時 かたちにとても意味が出てきたのでしょう この形状のはしでなければ ホテルとともに建て替えだったのではと思うと 残る建築・残る木の橋ということに 集成材が時間を得て 重ねた木材の層より 組み物により一体化していることに目が行くように 巨大な木のオブジェとして 2024/03/30 牧野植物園展示館 高知県立植物園には 記念館・展示館と温室があります 温室はガラス張りなのですが この9mの塔が入り口 素敵な空間体験ができます 植物が光を求めることを理解するとともに 見学当日は雨でしたが 記念館と展示館は 植物に必要な水と光をデザインされているので 最良でした ところどころにある竪樋から落ちる雨水 屋根の形状からどこで水を落とすかという問題を シンプルに水盤に落とすデザインに日本の伝統を感じます またどこまで屋根を掛けるかも 相当考えられただろうということも 私のお気に入りの場所は 展示館の一番低い部分は イベントホールのようですが シダ植物の下に自分がいるようで心地よい 棟と両サイドの軒との距離をかえながら 屋根がつくられ その中に空間が入っているのですが 距離が短い場合は集成材の梁をそのままかけられ 距離が長い場合はトラスが組まれています わかりやすくすっきりとした空間は 心が安定します 東京の設計事務所在職時に 設計に携らせていただいた温泉館の梁を思い出しました あらためて空間のデザインて楽しいなと思う建築です 竣工から時間を経ても美しくたもたれているのも魅力です 2024/03/29 空海ドーム 瀬戸大橋博1988年に竣工した イベントプラザ空海ドーム 1989年に大学に入学した時の現代建築論のなかで 木島先生がこのドームについて 熱く語られていたことを思い出しました 今回訪れてみての感想 ・集成材で組んでいるのにとても軽やか ・ドームで切り取られたラインがとてもきれい ・空海のネーミングにデザインのコンセプトを感じる ・細かい意匠の配慮がドームの形状を引き立てている 地中海建築を研究されていただけあり 円形劇場への思いも すべての寸法に意味がありそうです ただ座っているだけで 瀬戸大橋ができた時のことに思いを寄せることができそうです ぜひ訪れてみてください 2024/03/28 大崎上島ちゃり旅 竹原港からからフェリーに乗り白水港へ 大崎上島初上陸 観光案内書でちゃりを借りて 34.5キロの島一周にチャレンジ 島の大きさを体感しました 高低差から平地・山を 食べ物をさがして商業地を 風景をみて産業を この島で多く見かけたのは まずは港でした 七つの港でしまなみ海道ともとびしま海道ともつながっています 島から島への旅を楽しめそうです 次に造船所 木造船の時代から造船業で島が栄えたようです 囲いもなく船がつくられる光景を見ることができます 造船業の栄華の部分がほんの少しだけ残っていて 木江の街に高層の木造建築が 写真は五層の木造建築です 従業員のアパートだったのでしょうか 東京の同潤会アパートを思い出すような建築も残ってました 再生すればここも観光の拠点にできそうです 回周道路のまわりには 柑橘の木々にオレンジや黄色が 山を見上げれば 石切り場が 石をつかった造形物も見つけることができました 小学校の社会科の授業であった 地図を読む そんな時間でした 2024/02/29 コ・デザイン 「コ・デザイン」 デザインすることをみんなの手に 上平崇仁著 この本でやっと自分の設計作業にフィットする言葉を見つけたと感じました 20年前からレフトハンズの看板に書いている「家をつくろう」という言葉は 家は住み手と共同でデザインされるべきだという信念から生まれました 設計するすべてのプロセスに住み手が参加するように心がけてきました デザイナーにつくってもらう デザイナー住宅を買うとは違う 家を設計・建設・住まうのプロセスを大切にする設計スタンス 「Co Design」は日本語で協同デザインという意味です デザインのあり方について 本の表紙のゴミ箱を一例として紹介されています デンマークのコペンハーゲンの街中にあるゴミ箱のイラストです デンマークではゴミの分別が行われておらず、すべてのゴミが一緒に捨てられます リサイクルを推進するために「パント」と呼ばれるデポジットの仕組みがあります パントは購入時に1本あたり1クローナの余分な支払いをし、空き缶を返却するとその代金が戻ってくる仕組みです ゴミを集めて換金する生活をする人が腕まくりしてゴミ箱をあさるのは人間としてはいかがなものかと感じたある若者が ゴミ箱にちょっとした仕組みを施す提案をしました ゴミ箱の脇に後後付けのような小さな棚がつけたのです つまり不用意に捨てないための置き場づくりをして誰かへの小さな贈り物をしていることに このデザインにより換金せざるを得ない人々が尊厳を保ちながら、まち全体でリサイクルが促進され、空き缶の廃棄が減少する成功例となったそうです このエピソードは、デザインが形や色だけでなく、社会的な問題を解決する手段であることを示す例として書かれています 本のはじめにの文章に挿入されているエピソードから 「手作りのアップルジュース試飲できます」というキャッチコピーに惹かれ、著者が家族と一緒にそのブースで体験されたお話 リンゴを刻んで絞り、ジュースを作るプロセスが一連の流れで見えるようになっていて、参加者たちは自分でジュースを作り、その過程でコミュニケーションが生まれていたとのこと このイベントは、コペンハーゲンで行われたカルチャーナイトの一環で、デンマークの社会性を反映しています ジュースの生産装置は極めてこの国らしい仕組みに基づいていることがわかります ・貢献すれば誰もが親しく扱われる平等性 ・物事が進んでいく因果関係を見えるようにする透明性 ・見ず知らずの人でも協力し合う信頼性 ・それを遊び心を持って仕組みが一緒に取り組めるようにする共同性 社会的な約束が経験的に学べる場があり、社会の中に溶け込んだデザインが人々の行動を形作ることを示すれいとしてあげられています 私は幼い頃から文字のフォントや包装紙の模様、ファッションに興味を持ってきました デザインという言葉にはあこがれがあります 最近のデザインという言葉へのの安易な扱いには、少々嫌悪感を持ちます 安価なマーケティング手法としてのデザインは、その本来持つべき価値を失わせるものだと感じるからです 私が進んだ建築科で、デザインの本質について学ぶことができました デザインは形や色だけでなく、使い手の生活や環境と深く結びついていることなどです 家を協同で設計し、住み続ける人がその空間を理解することで、社会空間全体のデザインに対する視点も養われていきます 家は単なる建物ではなく、そこで暮らす人々の生活やコミュニティを形作る大切な要素なのだから ぜひ コ・デザイン をいろんな場所で これからの日本の環境をデザインしていきましょう 2024/02/20 木目プリント 木目プリントが使われる理由について考えたことがありますか? 本物の木ではなく、木目がプリントされたシートが目にすることがあります なぜこの素材が選ばれるのか、私も疑問に思っていました シートだったら単色でも良いのではないかと 最近、その理由に気づきました それは、新しい素材に対する抵抗を減らすための仕掛け 昔は木の床が主流でした 次に、薄い木の板を張った突板床板が一般的になりました。 そして今、シート張りへと変遷しています シートになってもなお、木目を使うのは、 惰性のデザインなのだと思うにいたりました コンクリート打放しのような壁紙 タイルのようなサイディング材 なんちゃってデザインともちょっと違う 素材について考えることもなく 家を購入してしまうのはなぜでしょうか 視覚の他に 触感でものを選ぶことをやめたのでしょうか 実家の2階の床板の張り替え 自分たちでDIY 素材は厚さ15ミリのウォールナット 家具などを置くには硬くてよい木です 傷がついても気にならない 実家を新築した昭和43年頃の 突板張りのデザインされたフローリング 今では珍しいですが さすがに50年を超えるとところどころ剥がれてきます 2020年に床板張替の足元のリノベーションを 2023年へのリノベーションへつながりました tree to floor 2024/02/09 建築確認申請 市街地で新築で建物を建てる時等は 建築確認申請が必要です 建築主は役所等に提出しなければいけません 知っていましたか 私たち建築士は代願をしている立場です また申請通りに建物が建っているかどうか 審査を受けて検査済書をうけとらなければ 建ってる建物は違法建築物となります 実家を改装した時も確認済書はありましたが 検査済証はありませんでした 当時の流れなのか太平住宅さんが審査を受けなかったのですが 施主にそのことを知らしていたでしょうか ノーだと思います 私は事務所をかまえたころ25年前から 全ての建物で検査済みをとってきているといいたいとこですが 一軒だけ工務店さんからの依頼で検査済みとらなかった建物あります 建築基準法が昭和25年に制定されてから その時からずっと検査済証は必須でしたが 工務店や建築士がお施主さんからの要望がないのをいいことに そのままにしていた状況 空き家利用の時はどのように対応していくべきか論議がひつようでは 2024/02/09 フィリップ・ジョンソン邸へ行こう 表紙買いした雑誌を 久々に手に取り読んでみました 写真の『ガラスの家』という住宅作品は 好きな住宅として学生の時にあげていたもの ・フィリップ・ジョンソン 先生 ・中村好文 先生 買いますと * * * この住宅は 設計者の週末の隠れ家であり 鉄とガラスでできた小屋である 内部に壁は存在せずガラスで作られた箱の中の空間は感覚的には一つの大きなホールである 私が気に入った1つ目の理由は この大きなホールを家具やオブジェの配置によっていくつかの領域に自然に分かれていることである 無理やり用途によって細々と分けないところである ジョンソンの言葉で言うなら 家具の配置で部屋や通路の役割を果たしている空間の領域やボリュームを自然と浮かび上がらせている点である 2つ目の理由は単純な構造ではあるけれど日本にもある箱物建築などと比べてどこか色気があるところである 装飾もたいして施されていないのにどことなく感じられる設計者の美的センスである 規則的な中に見てとれる何かである ここでは屋根を突き抜けて 垂直に伸びる円形の塔がそう感じさせる一番のものである 日頃は装飾過剰な建物を見ることが多かったのでシンプルながらも内容のある住宅に魅了された * * * 大学2年生の時の課題で私が写真と図面からの家の感想です この雑誌のガイド役は建築家の中村好文先生 1974年に出版されたこの本で「ガラスの家」に出会ったそうです 「床から立ち上がった円筒は、その床に敷いてあるのと同じレンガからできていて、この家の主にモチーフとなっている。これはミースに由来するものではなく、私がかつて見た火事で焼かれて基礎とレンガの煙突だけ残った木造の農家のすがたから導き出されたからである。」 本のなかの説明に詩的なものを感じこころ揺さぶられたそうです フィリップ・ジョンソン先生は莫大な財産を受け継いだ建築家でありながら MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキューレーターであり 抽象絵画のコレクターでした 建物だけをみて設計者のことまで気にせずにいた大学二年生の自分と 今の自分をつないでくれた大切な建物が『ガラスの家』 家具で仕切られた空間の作り方は日本のつい立てや床の高さで空間を分ける日本的な部分も感じられ 魅了された煙突の位置や形はモンドリアンなどの抽象絵画の画家の影響を受けていることも今ならわかります さらに言えば、この家は広大な敷地に建つ9個の建物の一つに過ぎないということ 機能は部屋ごとでなく建物ごとに分けてあることにおどろき そのことを気にもしてなかった自分におどろきました ガイドの中村好文先生の文章で案内されるそれぞれの建物 意味があり実験をしている過程のすべてが人生 ガラスの家で息をひきとったフィリップ・ジョンソン 建築家の生涯かたる素敵な作品とともに天国へ なんて詩的な締めくくりだろう 読みごたえのある雑誌です ぜひ一読あれ 私は「ガラスの家」を見にいつかアメリカに行くことに決めました 2024/02/01 ショートトリップ いつもは慣れ親しんだ高速道路を使って福山方面へ出かけることが多い私。 今回は下道でのドライブを楽しんでみました。 その結果、知らなかったことがたくさん詰まった素晴らしい旅になりました。 写真は石積みが美しい三原城址 実際に足を運んでみると、三原城址には、JR構内からアクセスすることに 三原駅が実際にお城の境内にあることも驚きでした 新幹線から見慣れていた福山城 お城の中で乗馬や火縄銃の体験 また北側の福寿会館のお庭から新しいお城の姿を楽しむことができました 鉄板張りの北側壁面 絵画のような白と黒のコントラストが印象的 前から知っている面(白) 今回知ることができた面(黒) 知らなかったことや 知っているつもりだったことがたくさんあるなーと年始に 身近な場所にも新しい発見がたくさん広がっていることを改めて実感しました 今年は身近ないろんなところに出かけ、見分を広めたいと思います 2024/01/31 ‹ Previous 1 2 3 4 5 6 7 Next › Last » カテゴリー 家づくりのすすめ 伴東のライ麦畑 設計とは 体で感じる 思い出 デザイン 建築探訪 旅から 日々の生活 木について まちについて 空間づくりのヒント やりたいこと 家について 本の紹介 街の風色 ブログ記事一覧 新築 増築 減築 乙島の浜(壱岐) 料亭三宜楼見学 モクヨンビル見学記 玄関の広さ
雲の上のギャラリー 日本の伝統的な木造建築で 柱の上に使われる『トキョウ』を 構造とデザインにしたギャラリーです 2012年に見学に行ったときは ホテルとお風呂をつなぐ橋でしたが 現在は木の橋ギャラリーとして使用されています 旅の途中で沈下橋を見に行きました どことどこをつないでいたのだろう ただ沈下橋のありかたを体感しに ホテルがなくなり 機能を失い ただ橋として残っている時 かたちにとても意味が出てきたのでしょう この形状のはしでなければ ホテルとともに建て替えだったのではと思うと 残る建築・残る木の橋ということに 集成材が時間を得て 重ねた木材の層より 組み物により一体化していることに目が行くように 巨大な木のオブジェとして 2024/03/30 牧野植物園展示館 高知県立植物園には 記念館・展示館と温室があります 温室はガラス張りなのですが この9mの塔が入り口 素敵な空間体験ができます 植物が光を求めることを理解するとともに 見学当日は雨でしたが 記念館と展示館は 植物に必要な水と光をデザインされているので 最良でした ところどころにある竪樋から落ちる雨水 屋根の形状からどこで水を落とすかという問題を シンプルに水盤に落とすデザインに日本の伝統を感じます またどこまで屋根を掛けるかも 相当考えられただろうということも 私のお気に入りの場所は 展示館の一番低い部分は イベントホールのようですが シダ植物の下に自分がいるようで心地よい 棟と両サイドの軒との距離をかえながら 屋根がつくられ その中に空間が入っているのですが 距離が短い場合は集成材の梁をそのままかけられ 距離が長い場合はトラスが組まれています わかりやすくすっきりとした空間は 心が安定します 東京の設計事務所在職時に 設計に携らせていただいた温泉館の梁を思い出しました あらためて空間のデザインて楽しいなと思う建築です 竣工から時間を経ても美しくたもたれているのも魅力です 2024/03/29 空海ドーム 瀬戸大橋博1988年に竣工した イベントプラザ空海ドーム 1989年に大学に入学した時の現代建築論のなかで 木島先生がこのドームについて 熱く語られていたことを思い出しました 今回訪れてみての感想 ・集成材で組んでいるのにとても軽やか ・ドームで切り取られたラインがとてもきれい ・空海のネーミングにデザインのコンセプトを感じる ・細かい意匠の配慮がドームの形状を引き立てている 地中海建築を研究されていただけあり 円形劇場への思いも すべての寸法に意味がありそうです ただ座っているだけで 瀬戸大橋ができた時のことに思いを寄せることができそうです ぜひ訪れてみてください 2024/03/28 大崎上島ちゃり旅 竹原港からからフェリーに乗り白水港へ 大崎上島初上陸 観光案内書でちゃりを借りて 34.5キロの島一周にチャレンジ 島の大きさを体感しました 高低差から平地・山を 食べ物をさがして商業地を 風景をみて産業を この島で多く見かけたのは まずは港でした 七つの港でしまなみ海道ともとびしま海道ともつながっています 島から島への旅を楽しめそうです 次に造船所 木造船の時代から造船業で島が栄えたようです 囲いもなく船がつくられる光景を見ることができます 造船業の栄華の部分がほんの少しだけ残っていて 木江の街に高層の木造建築が 写真は五層の木造建築です 従業員のアパートだったのでしょうか 東京の同潤会アパートを思い出すような建築も残ってました 再生すればここも観光の拠点にできそうです 回周道路のまわりには 柑橘の木々にオレンジや黄色が 山を見上げれば 石切り場が 石をつかった造形物も見つけることができました 小学校の社会科の授業であった 地図を読む そんな時間でした 2024/02/29 コ・デザイン 「コ・デザイン」 デザインすることをみんなの手に 上平崇仁著 この本でやっと自分の設計作業にフィットする言葉を見つけたと感じました 20年前からレフトハンズの看板に書いている「家をつくろう」という言葉は 家は住み手と共同でデザインされるべきだという信念から生まれました 設計するすべてのプロセスに住み手が参加するように心がけてきました デザイナーにつくってもらう デザイナー住宅を買うとは違う 家を設計・建設・住まうのプロセスを大切にする設計スタンス 「Co Design」は日本語で協同デザインという意味です デザインのあり方について 本の表紙のゴミ箱を一例として紹介されています デンマークのコペンハーゲンの街中にあるゴミ箱のイラストです デンマークではゴミの分別が行われておらず、すべてのゴミが一緒に捨てられます リサイクルを推進するために「パント」と呼ばれるデポジットの仕組みがあります パントは購入時に1本あたり1クローナの余分な支払いをし、空き缶を返却するとその代金が戻ってくる仕組みです ゴミを集めて換金する生活をする人が腕まくりしてゴミ箱をあさるのは人間としてはいかがなものかと感じたある若者が ゴミ箱にちょっとした仕組みを施す提案をしました ゴミ箱の脇に後後付けのような小さな棚がつけたのです つまり不用意に捨てないための置き場づくりをして誰かへの小さな贈り物をしていることに このデザインにより換金せざるを得ない人々が尊厳を保ちながら、まち全体でリサイクルが促進され、空き缶の廃棄が減少する成功例となったそうです このエピソードは、デザインが形や色だけでなく、社会的な問題を解決する手段であることを示す例として書かれています 本のはじめにの文章に挿入されているエピソードから 「手作りのアップルジュース試飲できます」というキャッチコピーに惹かれ、著者が家族と一緒にそのブースで体験されたお話 リンゴを刻んで絞り、ジュースを作るプロセスが一連の流れで見えるようになっていて、参加者たちは自分でジュースを作り、その過程でコミュニケーションが生まれていたとのこと このイベントは、コペンハーゲンで行われたカルチャーナイトの一環で、デンマークの社会性を反映しています ジュースの生産装置は極めてこの国らしい仕組みに基づいていることがわかります ・貢献すれば誰もが親しく扱われる平等性 ・物事が進んでいく因果関係を見えるようにする透明性 ・見ず知らずの人でも協力し合う信頼性 ・それを遊び心を持って仕組みが一緒に取り組めるようにする共同性 社会的な約束が経験的に学べる場があり、社会の中に溶け込んだデザインが人々の行動を形作ることを示すれいとしてあげられています 私は幼い頃から文字のフォントや包装紙の模様、ファッションに興味を持ってきました デザインという言葉にはあこがれがあります 最近のデザインという言葉へのの安易な扱いには、少々嫌悪感を持ちます 安価なマーケティング手法としてのデザインは、その本来持つべき価値を失わせるものだと感じるからです 私が進んだ建築科で、デザインの本質について学ぶことができました デザインは形や色だけでなく、使い手の生活や環境と深く結びついていることなどです 家を協同で設計し、住み続ける人がその空間を理解することで、社会空間全体のデザインに対する視点も養われていきます 家は単なる建物ではなく、そこで暮らす人々の生活やコミュニティを形作る大切な要素なのだから ぜひ コ・デザイン をいろんな場所で これからの日本の環境をデザインしていきましょう 2024/02/20 木目プリント 木目プリントが使われる理由について考えたことがありますか? 本物の木ではなく、木目がプリントされたシートが目にすることがあります なぜこの素材が選ばれるのか、私も疑問に思っていました シートだったら単色でも良いのではないかと 最近、その理由に気づきました それは、新しい素材に対する抵抗を減らすための仕掛け 昔は木の床が主流でした 次に、薄い木の板を張った突板床板が一般的になりました。 そして今、シート張りへと変遷しています シートになってもなお、木目を使うのは、 惰性のデザインなのだと思うにいたりました コンクリート打放しのような壁紙 タイルのようなサイディング材 なんちゃってデザインともちょっと違う 素材について考えることもなく 家を購入してしまうのはなぜでしょうか 視覚の他に 触感でものを選ぶことをやめたのでしょうか 実家の2階の床板の張り替え 自分たちでDIY 素材は厚さ15ミリのウォールナット 家具などを置くには硬くてよい木です 傷がついても気にならない 実家を新築した昭和43年頃の 突板張りのデザインされたフローリング 今では珍しいですが さすがに50年を超えるとところどころ剥がれてきます 2020年に床板張替の足元のリノベーションを 2023年へのリノベーションへつながりました tree to floor 2024/02/09 建築確認申請 市街地で新築で建物を建てる時等は 建築確認申請が必要です 建築主は役所等に提出しなければいけません 知っていましたか 私たち建築士は代願をしている立場です また申請通りに建物が建っているかどうか 審査を受けて検査済書をうけとらなければ 建ってる建物は違法建築物となります 実家を改装した時も確認済書はありましたが 検査済証はありませんでした 当時の流れなのか太平住宅さんが審査を受けなかったのですが 施主にそのことを知らしていたでしょうか ノーだと思います 私は事務所をかまえたころ25年前から 全ての建物で検査済みをとってきているといいたいとこですが 一軒だけ工務店さんからの依頼で検査済みとらなかった建物あります 建築基準法が昭和25年に制定されてから その時からずっと検査済証は必須でしたが 工務店や建築士がお施主さんからの要望がないのをいいことに そのままにしていた状況 空き家利用の時はどのように対応していくべきか論議がひつようでは 2024/02/09 フィリップ・ジョンソン邸へ行こう 表紙買いした雑誌を 久々に手に取り読んでみました 写真の『ガラスの家』という住宅作品は 好きな住宅として学生の時にあげていたもの ・フィリップ・ジョンソン 先生 ・中村好文 先生 買いますと * * * この住宅は 設計者の週末の隠れ家であり 鉄とガラスでできた小屋である 内部に壁は存在せずガラスで作られた箱の中の空間は感覚的には一つの大きなホールである 私が気に入った1つ目の理由は この大きなホールを家具やオブジェの配置によっていくつかの領域に自然に分かれていることである 無理やり用途によって細々と分けないところである ジョンソンの言葉で言うなら 家具の配置で部屋や通路の役割を果たしている空間の領域やボリュームを自然と浮かび上がらせている点である 2つ目の理由は単純な構造ではあるけれど日本にもある箱物建築などと比べてどこか色気があるところである 装飾もたいして施されていないのにどことなく感じられる設計者の美的センスである 規則的な中に見てとれる何かである ここでは屋根を突き抜けて 垂直に伸びる円形の塔がそう感じさせる一番のものである 日頃は装飾過剰な建物を見ることが多かったのでシンプルながらも内容のある住宅に魅了された * * * 大学2年生の時の課題で私が写真と図面からの家の感想です この雑誌のガイド役は建築家の中村好文先生 1974年に出版されたこの本で「ガラスの家」に出会ったそうです 「床から立ち上がった円筒は、その床に敷いてあるのと同じレンガからできていて、この家の主にモチーフとなっている。これはミースに由来するものではなく、私がかつて見た火事で焼かれて基礎とレンガの煙突だけ残った木造の農家のすがたから導き出されたからである。」 本のなかの説明に詩的なものを感じこころ揺さぶられたそうです フィリップ・ジョンソン先生は莫大な財産を受け継いだ建築家でありながら MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキューレーターであり 抽象絵画のコレクターでした 建物だけをみて設計者のことまで気にせずにいた大学二年生の自分と 今の自分をつないでくれた大切な建物が『ガラスの家』 家具で仕切られた空間の作り方は日本のつい立てや床の高さで空間を分ける日本的な部分も感じられ 魅了された煙突の位置や形はモンドリアンなどの抽象絵画の画家の影響を受けていることも今ならわかります さらに言えば、この家は広大な敷地に建つ9個の建物の一つに過ぎないということ 機能は部屋ごとでなく建物ごとに分けてあることにおどろき そのことを気にもしてなかった自分におどろきました ガイドの中村好文先生の文章で案内されるそれぞれの建物 意味があり実験をしている過程のすべてが人生 ガラスの家で息をひきとったフィリップ・ジョンソン 建築家の生涯かたる素敵な作品とともに天国へ なんて詩的な締めくくりだろう 読みごたえのある雑誌です ぜひ一読あれ 私は「ガラスの家」を見にいつかアメリカに行くことに決めました 2024/02/01 ショートトリップ いつもは慣れ親しんだ高速道路を使って福山方面へ出かけることが多い私。 今回は下道でのドライブを楽しんでみました。 その結果、知らなかったことがたくさん詰まった素晴らしい旅になりました。 写真は石積みが美しい三原城址 実際に足を運んでみると、三原城址には、JR構内からアクセスすることに 三原駅が実際にお城の境内にあることも驚きでした 新幹線から見慣れていた福山城 お城の中で乗馬や火縄銃の体験 また北側の福寿会館のお庭から新しいお城の姿を楽しむことができました 鉄板張りの北側壁面 絵画のような白と黒のコントラストが印象的 前から知っている面(白) 今回知ることができた面(黒) 知らなかったことや 知っているつもりだったことがたくさんあるなーと年始に 身近な場所にも新しい発見がたくさん広がっていることを改めて実感しました 今年は身近ないろんなところに出かけ、見分を広めたいと思います 2024/01/31 ‹ Previous 1 2 3 4 5 6 7 Next › Last » カテゴリー 家づくりのすすめ 伴東のライ麦畑 設計とは 体で感じる 思い出 デザイン 建築探訪 旅から 日々の生活 木について まちについて 空間づくりのヒント やりたいこと 家について 本の紹介 街の風色 ブログ記事一覧 新築 増築 減築 乙島の浜(壱岐) 料亭三宜楼見学 モクヨンビル見学記 玄関の広さ
牧野植物園展示館 高知県立植物園には 記念館・展示館と温室があります 温室はガラス張りなのですが この9mの塔が入り口 素敵な空間体験ができます 植物が光を求めることを理解するとともに 見学当日は雨でしたが 記念館と展示館は 植物に必要な水と光をデザインされているので 最良でした ところどころにある竪樋から落ちる雨水 屋根の形状からどこで水を落とすかという問題を シンプルに水盤に落とすデザインに日本の伝統を感じます またどこまで屋根を掛けるかも 相当考えられただろうということも 私のお気に入りの場所は 展示館の一番低い部分は イベントホールのようですが シダ植物の下に自分がいるようで心地よい 棟と両サイドの軒との距離をかえながら 屋根がつくられ その中に空間が入っているのですが 距離が短い場合は集成材の梁をそのままかけられ 距離が長い場合はトラスが組まれています わかりやすくすっきりとした空間は 心が安定します 東京の設計事務所在職時に 設計に携らせていただいた温泉館の梁を思い出しました あらためて空間のデザインて楽しいなと思う建築です 竣工から時間を経ても美しくたもたれているのも魅力です 2024/03/29 空海ドーム 瀬戸大橋博1988年に竣工した イベントプラザ空海ドーム 1989年に大学に入学した時の現代建築論のなかで 木島先生がこのドームについて 熱く語られていたことを思い出しました 今回訪れてみての感想 ・集成材で組んでいるのにとても軽やか ・ドームで切り取られたラインがとてもきれい ・空海のネーミングにデザインのコンセプトを感じる ・細かい意匠の配慮がドームの形状を引き立てている 地中海建築を研究されていただけあり 円形劇場への思いも すべての寸法に意味がありそうです ただ座っているだけで 瀬戸大橋ができた時のことに思いを寄せることができそうです ぜひ訪れてみてください 2024/03/28 大崎上島ちゃり旅 竹原港からからフェリーに乗り白水港へ 大崎上島初上陸 観光案内書でちゃりを借りて 34.5キロの島一周にチャレンジ 島の大きさを体感しました 高低差から平地・山を 食べ物をさがして商業地を 風景をみて産業を この島で多く見かけたのは まずは港でした 七つの港でしまなみ海道ともとびしま海道ともつながっています 島から島への旅を楽しめそうです 次に造船所 木造船の時代から造船業で島が栄えたようです 囲いもなく船がつくられる光景を見ることができます 造船業の栄華の部分がほんの少しだけ残っていて 木江の街に高層の木造建築が 写真は五層の木造建築です 従業員のアパートだったのでしょうか 東京の同潤会アパートを思い出すような建築も残ってました 再生すればここも観光の拠点にできそうです 回周道路のまわりには 柑橘の木々にオレンジや黄色が 山を見上げれば 石切り場が 石をつかった造形物も見つけることができました 小学校の社会科の授業であった 地図を読む そんな時間でした 2024/02/29 コ・デザイン 「コ・デザイン」 デザインすることをみんなの手に 上平崇仁著 この本でやっと自分の設計作業にフィットする言葉を見つけたと感じました 20年前からレフトハンズの看板に書いている「家をつくろう」という言葉は 家は住み手と共同でデザインされるべきだという信念から生まれました 設計するすべてのプロセスに住み手が参加するように心がけてきました デザイナーにつくってもらう デザイナー住宅を買うとは違う 家を設計・建設・住まうのプロセスを大切にする設計スタンス 「Co Design」は日本語で協同デザインという意味です デザインのあり方について 本の表紙のゴミ箱を一例として紹介されています デンマークのコペンハーゲンの街中にあるゴミ箱のイラストです デンマークではゴミの分別が行われておらず、すべてのゴミが一緒に捨てられます リサイクルを推進するために「パント」と呼ばれるデポジットの仕組みがあります パントは購入時に1本あたり1クローナの余分な支払いをし、空き缶を返却するとその代金が戻ってくる仕組みです ゴミを集めて換金する生活をする人が腕まくりしてゴミ箱をあさるのは人間としてはいかがなものかと感じたある若者が ゴミ箱にちょっとした仕組みを施す提案をしました ゴミ箱の脇に後後付けのような小さな棚がつけたのです つまり不用意に捨てないための置き場づくりをして誰かへの小さな贈り物をしていることに このデザインにより換金せざるを得ない人々が尊厳を保ちながら、まち全体でリサイクルが促進され、空き缶の廃棄が減少する成功例となったそうです このエピソードは、デザインが形や色だけでなく、社会的な問題を解決する手段であることを示す例として書かれています 本のはじめにの文章に挿入されているエピソードから 「手作りのアップルジュース試飲できます」というキャッチコピーに惹かれ、著者が家族と一緒にそのブースで体験されたお話 リンゴを刻んで絞り、ジュースを作るプロセスが一連の流れで見えるようになっていて、参加者たちは自分でジュースを作り、その過程でコミュニケーションが生まれていたとのこと このイベントは、コペンハーゲンで行われたカルチャーナイトの一環で、デンマークの社会性を反映しています ジュースの生産装置は極めてこの国らしい仕組みに基づいていることがわかります ・貢献すれば誰もが親しく扱われる平等性 ・物事が進んでいく因果関係を見えるようにする透明性 ・見ず知らずの人でも協力し合う信頼性 ・それを遊び心を持って仕組みが一緒に取り組めるようにする共同性 社会的な約束が経験的に学べる場があり、社会の中に溶け込んだデザインが人々の行動を形作ることを示すれいとしてあげられています 私は幼い頃から文字のフォントや包装紙の模様、ファッションに興味を持ってきました デザインという言葉にはあこがれがあります 最近のデザインという言葉へのの安易な扱いには、少々嫌悪感を持ちます 安価なマーケティング手法としてのデザインは、その本来持つべき価値を失わせるものだと感じるからです 私が進んだ建築科で、デザインの本質について学ぶことができました デザインは形や色だけでなく、使い手の生活や環境と深く結びついていることなどです 家を協同で設計し、住み続ける人がその空間を理解することで、社会空間全体のデザインに対する視点も養われていきます 家は単なる建物ではなく、そこで暮らす人々の生活やコミュニティを形作る大切な要素なのだから ぜひ コ・デザイン をいろんな場所で これからの日本の環境をデザインしていきましょう 2024/02/20 木目プリント 木目プリントが使われる理由について考えたことがありますか? 本物の木ではなく、木目がプリントされたシートが目にすることがあります なぜこの素材が選ばれるのか、私も疑問に思っていました シートだったら単色でも良いのではないかと 最近、その理由に気づきました それは、新しい素材に対する抵抗を減らすための仕掛け 昔は木の床が主流でした 次に、薄い木の板を張った突板床板が一般的になりました。 そして今、シート張りへと変遷しています シートになってもなお、木目を使うのは、 惰性のデザインなのだと思うにいたりました コンクリート打放しのような壁紙 タイルのようなサイディング材 なんちゃってデザインともちょっと違う 素材について考えることもなく 家を購入してしまうのはなぜでしょうか 視覚の他に 触感でものを選ぶことをやめたのでしょうか 実家の2階の床板の張り替え 自分たちでDIY 素材は厚さ15ミリのウォールナット 家具などを置くには硬くてよい木です 傷がついても気にならない 実家を新築した昭和43年頃の 突板張りのデザインされたフローリング 今では珍しいですが さすがに50年を超えるとところどころ剥がれてきます 2020年に床板張替の足元のリノベーションを 2023年へのリノベーションへつながりました tree to floor 2024/02/09 建築確認申請 市街地で新築で建物を建てる時等は 建築確認申請が必要です 建築主は役所等に提出しなければいけません 知っていましたか 私たち建築士は代願をしている立場です また申請通りに建物が建っているかどうか 審査を受けて検査済書をうけとらなければ 建ってる建物は違法建築物となります 実家を改装した時も確認済書はありましたが 検査済証はありませんでした 当時の流れなのか太平住宅さんが審査を受けなかったのですが 施主にそのことを知らしていたでしょうか ノーだと思います 私は事務所をかまえたころ25年前から 全ての建物で検査済みをとってきているといいたいとこですが 一軒だけ工務店さんからの依頼で検査済みとらなかった建物あります 建築基準法が昭和25年に制定されてから その時からずっと検査済証は必須でしたが 工務店や建築士がお施主さんからの要望がないのをいいことに そのままにしていた状況 空き家利用の時はどのように対応していくべきか論議がひつようでは 2024/02/09 フィリップ・ジョンソン邸へ行こう 表紙買いした雑誌を 久々に手に取り読んでみました 写真の『ガラスの家』という住宅作品は 好きな住宅として学生の時にあげていたもの ・フィリップ・ジョンソン 先生 ・中村好文 先生 買いますと * * * この住宅は 設計者の週末の隠れ家であり 鉄とガラスでできた小屋である 内部に壁は存在せずガラスで作られた箱の中の空間は感覚的には一つの大きなホールである 私が気に入った1つ目の理由は この大きなホールを家具やオブジェの配置によっていくつかの領域に自然に分かれていることである 無理やり用途によって細々と分けないところである ジョンソンの言葉で言うなら 家具の配置で部屋や通路の役割を果たしている空間の領域やボリュームを自然と浮かび上がらせている点である 2つ目の理由は単純な構造ではあるけれど日本にもある箱物建築などと比べてどこか色気があるところである 装飾もたいして施されていないのにどことなく感じられる設計者の美的センスである 規則的な中に見てとれる何かである ここでは屋根を突き抜けて 垂直に伸びる円形の塔がそう感じさせる一番のものである 日頃は装飾過剰な建物を見ることが多かったのでシンプルながらも内容のある住宅に魅了された * * * 大学2年生の時の課題で私が写真と図面からの家の感想です この雑誌のガイド役は建築家の中村好文先生 1974年に出版されたこの本で「ガラスの家」に出会ったそうです 「床から立ち上がった円筒は、その床に敷いてあるのと同じレンガからできていて、この家の主にモチーフとなっている。これはミースに由来するものではなく、私がかつて見た火事で焼かれて基礎とレンガの煙突だけ残った木造の農家のすがたから導き出されたからである。」 本のなかの説明に詩的なものを感じこころ揺さぶられたそうです フィリップ・ジョンソン先生は莫大な財産を受け継いだ建築家でありながら MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキューレーターであり 抽象絵画のコレクターでした 建物だけをみて設計者のことまで気にせずにいた大学二年生の自分と 今の自分をつないでくれた大切な建物が『ガラスの家』 家具で仕切られた空間の作り方は日本のつい立てや床の高さで空間を分ける日本的な部分も感じられ 魅了された煙突の位置や形はモンドリアンなどの抽象絵画の画家の影響を受けていることも今ならわかります さらに言えば、この家は広大な敷地に建つ9個の建物の一つに過ぎないということ 機能は部屋ごとでなく建物ごとに分けてあることにおどろき そのことを気にもしてなかった自分におどろきました ガイドの中村好文先生の文章で案内されるそれぞれの建物 意味があり実験をしている過程のすべてが人生 ガラスの家で息をひきとったフィリップ・ジョンソン 建築家の生涯かたる素敵な作品とともに天国へ なんて詩的な締めくくりだろう 読みごたえのある雑誌です ぜひ一読あれ 私は「ガラスの家」を見にいつかアメリカに行くことに決めました 2024/02/01 ショートトリップ いつもは慣れ親しんだ高速道路を使って福山方面へ出かけることが多い私。 今回は下道でのドライブを楽しんでみました。 その結果、知らなかったことがたくさん詰まった素晴らしい旅になりました。 写真は石積みが美しい三原城址 実際に足を運んでみると、三原城址には、JR構内からアクセスすることに 三原駅が実際にお城の境内にあることも驚きでした 新幹線から見慣れていた福山城 お城の中で乗馬や火縄銃の体験 また北側の福寿会館のお庭から新しいお城の姿を楽しむことができました 鉄板張りの北側壁面 絵画のような白と黒のコントラストが印象的 前から知っている面(白) 今回知ることができた面(黒) 知らなかったことや 知っているつもりだったことがたくさんあるなーと年始に 身近な場所にも新しい発見がたくさん広がっていることを改めて実感しました 今年は身近ないろんなところに出かけ、見分を広めたいと思います 2024/01/31 ‹ Previous 1 2 3 4 5 6 7 Next › Last » カテゴリー 家づくりのすすめ 伴東のライ麦畑 設計とは 体で感じる 思い出 デザイン 建築探訪 旅から 日々の生活 木について まちについて 空間づくりのヒント やりたいこと 家について 本の紹介 街の風色 ブログ記事一覧 新築 増築 減築 乙島の浜(壱岐) 料亭三宜楼見学 モクヨンビル見学記 玄関の広さ
空海ドーム 瀬戸大橋博1988年に竣工した イベントプラザ空海ドーム 1989年に大学に入学した時の現代建築論のなかで 木島先生がこのドームについて 熱く語られていたことを思い出しました 今回訪れてみての感想 ・集成材で組んでいるのにとても軽やか ・ドームで切り取られたラインがとてもきれい ・空海のネーミングにデザインのコンセプトを感じる ・細かい意匠の配慮がドームの形状を引き立てている 地中海建築を研究されていただけあり 円形劇場への思いも すべての寸法に意味がありそうです ただ座っているだけで 瀬戸大橋ができた時のことに思いを寄せることができそうです ぜひ訪れてみてください 2024/03/28 大崎上島ちゃり旅 竹原港からからフェリーに乗り白水港へ 大崎上島初上陸 観光案内書でちゃりを借りて 34.5キロの島一周にチャレンジ 島の大きさを体感しました 高低差から平地・山を 食べ物をさがして商業地を 風景をみて産業を この島で多く見かけたのは まずは港でした 七つの港でしまなみ海道ともとびしま海道ともつながっています 島から島への旅を楽しめそうです 次に造船所 木造船の時代から造船業で島が栄えたようです 囲いもなく船がつくられる光景を見ることができます 造船業の栄華の部分がほんの少しだけ残っていて 木江の街に高層の木造建築が 写真は五層の木造建築です 従業員のアパートだったのでしょうか 東京の同潤会アパートを思い出すような建築も残ってました 再生すればここも観光の拠点にできそうです 回周道路のまわりには 柑橘の木々にオレンジや黄色が 山を見上げれば 石切り場が 石をつかった造形物も見つけることができました 小学校の社会科の授業であった 地図を読む そんな時間でした 2024/02/29 コ・デザイン 「コ・デザイン」 デザインすることをみんなの手に 上平崇仁著 この本でやっと自分の設計作業にフィットする言葉を見つけたと感じました 20年前からレフトハンズの看板に書いている「家をつくろう」という言葉は 家は住み手と共同でデザインされるべきだという信念から生まれました 設計するすべてのプロセスに住み手が参加するように心がけてきました デザイナーにつくってもらう デザイナー住宅を買うとは違う 家を設計・建設・住まうのプロセスを大切にする設計スタンス 「Co Design」は日本語で協同デザインという意味です デザインのあり方について 本の表紙のゴミ箱を一例として紹介されています デンマークのコペンハーゲンの街中にあるゴミ箱のイラストです デンマークではゴミの分別が行われておらず、すべてのゴミが一緒に捨てられます リサイクルを推進するために「パント」と呼ばれるデポジットの仕組みがあります パントは購入時に1本あたり1クローナの余分な支払いをし、空き缶を返却するとその代金が戻ってくる仕組みです ゴミを集めて換金する生活をする人が腕まくりしてゴミ箱をあさるのは人間としてはいかがなものかと感じたある若者が ゴミ箱にちょっとした仕組みを施す提案をしました ゴミ箱の脇に後後付けのような小さな棚がつけたのです つまり不用意に捨てないための置き場づくりをして誰かへの小さな贈り物をしていることに このデザインにより換金せざるを得ない人々が尊厳を保ちながら、まち全体でリサイクルが促進され、空き缶の廃棄が減少する成功例となったそうです このエピソードは、デザインが形や色だけでなく、社会的な問題を解決する手段であることを示す例として書かれています 本のはじめにの文章に挿入されているエピソードから 「手作りのアップルジュース試飲できます」というキャッチコピーに惹かれ、著者が家族と一緒にそのブースで体験されたお話 リンゴを刻んで絞り、ジュースを作るプロセスが一連の流れで見えるようになっていて、参加者たちは自分でジュースを作り、その過程でコミュニケーションが生まれていたとのこと このイベントは、コペンハーゲンで行われたカルチャーナイトの一環で、デンマークの社会性を反映しています ジュースの生産装置は極めてこの国らしい仕組みに基づいていることがわかります ・貢献すれば誰もが親しく扱われる平等性 ・物事が進んでいく因果関係を見えるようにする透明性 ・見ず知らずの人でも協力し合う信頼性 ・それを遊び心を持って仕組みが一緒に取り組めるようにする共同性 社会的な約束が経験的に学べる場があり、社会の中に溶け込んだデザインが人々の行動を形作ることを示すれいとしてあげられています 私は幼い頃から文字のフォントや包装紙の模様、ファッションに興味を持ってきました デザインという言葉にはあこがれがあります 最近のデザインという言葉へのの安易な扱いには、少々嫌悪感を持ちます 安価なマーケティング手法としてのデザインは、その本来持つべき価値を失わせるものだと感じるからです 私が進んだ建築科で、デザインの本質について学ぶことができました デザインは形や色だけでなく、使い手の生活や環境と深く結びついていることなどです 家を協同で設計し、住み続ける人がその空間を理解することで、社会空間全体のデザインに対する視点も養われていきます 家は単なる建物ではなく、そこで暮らす人々の生活やコミュニティを形作る大切な要素なのだから ぜひ コ・デザイン をいろんな場所で これからの日本の環境をデザインしていきましょう 2024/02/20 木目プリント 木目プリントが使われる理由について考えたことがありますか? 本物の木ではなく、木目がプリントされたシートが目にすることがあります なぜこの素材が選ばれるのか、私も疑問に思っていました シートだったら単色でも良いのではないかと 最近、その理由に気づきました それは、新しい素材に対する抵抗を減らすための仕掛け 昔は木の床が主流でした 次に、薄い木の板を張った突板床板が一般的になりました。 そして今、シート張りへと変遷しています シートになってもなお、木目を使うのは、 惰性のデザインなのだと思うにいたりました コンクリート打放しのような壁紙 タイルのようなサイディング材 なんちゃってデザインともちょっと違う 素材について考えることもなく 家を購入してしまうのはなぜでしょうか 視覚の他に 触感でものを選ぶことをやめたのでしょうか 実家の2階の床板の張り替え 自分たちでDIY 素材は厚さ15ミリのウォールナット 家具などを置くには硬くてよい木です 傷がついても気にならない 実家を新築した昭和43年頃の 突板張りのデザインされたフローリング 今では珍しいですが さすがに50年を超えるとところどころ剥がれてきます 2020年に床板張替の足元のリノベーションを 2023年へのリノベーションへつながりました tree to floor 2024/02/09 建築確認申請 市街地で新築で建物を建てる時等は 建築確認申請が必要です 建築主は役所等に提出しなければいけません 知っていましたか 私たち建築士は代願をしている立場です また申請通りに建物が建っているかどうか 審査を受けて検査済書をうけとらなければ 建ってる建物は違法建築物となります 実家を改装した時も確認済書はありましたが 検査済証はありませんでした 当時の流れなのか太平住宅さんが審査を受けなかったのですが 施主にそのことを知らしていたでしょうか ノーだと思います 私は事務所をかまえたころ25年前から 全ての建物で検査済みをとってきているといいたいとこですが 一軒だけ工務店さんからの依頼で検査済みとらなかった建物あります 建築基準法が昭和25年に制定されてから その時からずっと検査済証は必須でしたが 工務店や建築士がお施主さんからの要望がないのをいいことに そのままにしていた状況 空き家利用の時はどのように対応していくべきか論議がひつようでは 2024/02/09 フィリップ・ジョンソン邸へ行こう 表紙買いした雑誌を 久々に手に取り読んでみました 写真の『ガラスの家』という住宅作品は 好きな住宅として学生の時にあげていたもの ・フィリップ・ジョンソン 先生 ・中村好文 先生 買いますと * * * この住宅は 設計者の週末の隠れ家であり 鉄とガラスでできた小屋である 内部に壁は存在せずガラスで作られた箱の中の空間は感覚的には一つの大きなホールである 私が気に入った1つ目の理由は この大きなホールを家具やオブジェの配置によっていくつかの領域に自然に分かれていることである 無理やり用途によって細々と分けないところである ジョンソンの言葉で言うなら 家具の配置で部屋や通路の役割を果たしている空間の領域やボリュームを自然と浮かび上がらせている点である 2つ目の理由は単純な構造ではあるけれど日本にもある箱物建築などと比べてどこか色気があるところである 装飾もたいして施されていないのにどことなく感じられる設計者の美的センスである 規則的な中に見てとれる何かである ここでは屋根を突き抜けて 垂直に伸びる円形の塔がそう感じさせる一番のものである 日頃は装飾過剰な建物を見ることが多かったのでシンプルながらも内容のある住宅に魅了された * * * 大学2年生の時の課題で私が写真と図面からの家の感想です この雑誌のガイド役は建築家の中村好文先生 1974年に出版されたこの本で「ガラスの家」に出会ったそうです 「床から立ち上がった円筒は、その床に敷いてあるのと同じレンガからできていて、この家の主にモチーフとなっている。これはミースに由来するものではなく、私がかつて見た火事で焼かれて基礎とレンガの煙突だけ残った木造の農家のすがたから導き出されたからである。」 本のなかの説明に詩的なものを感じこころ揺さぶられたそうです フィリップ・ジョンソン先生は莫大な財産を受け継いだ建築家でありながら MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキューレーターであり 抽象絵画のコレクターでした 建物だけをみて設計者のことまで気にせずにいた大学二年生の自分と 今の自分をつないでくれた大切な建物が『ガラスの家』 家具で仕切られた空間の作り方は日本のつい立てや床の高さで空間を分ける日本的な部分も感じられ 魅了された煙突の位置や形はモンドリアンなどの抽象絵画の画家の影響を受けていることも今ならわかります さらに言えば、この家は広大な敷地に建つ9個の建物の一つに過ぎないということ 機能は部屋ごとでなく建物ごとに分けてあることにおどろき そのことを気にもしてなかった自分におどろきました ガイドの中村好文先生の文章で案内されるそれぞれの建物 意味があり実験をしている過程のすべてが人生 ガラスの家で息をひきとったフィリップ・ジョンソン 建築家の生涯かたる素敵な作品とともに天国へ なんて詩的な締めくくりだろう 読みごたえのある雑誌です ぜひ一読あれ 私は「ガラスの家」を見にいつかアメリカに行くことに決めました 2024/02/01 ショートトリップ いつもは慣れ親しんだ高速道路を使って福山方面へ出かけることが多い私。 今回は下道でのドライブを楽しんでみました。 その結果、知らなかったことがたくさん詰まった素晴らしい旅になりました。 写真は石積みが美しい三原城址 実際に足を運んでみると、三原城址には、JR構内からアクセスすることに 三原駅が実際にお城の境内にあることも驚きでした 新幹線から見慣れていた福山城 お城の中で乗馬や火縄銃の体験 また北側の福寿会館のお庭から新しいお城の姿を楽しむことができました 鉄板張りの北側壁面 絵画のような白と黒のコントラストが印象的 前から知っている面(白) 今回知ることができた面(黒) 知らなかったことや 知っているつもりだったことがたくさんあるなーと年始に 身近な場所にも新しい発見がたくさん広がっていることを改めて実感しました 今年は身近ないろんなところに出かけ、見分を広めたいと思います 2024/01/31 ‹ Previous 1 2 3 4 5 6 7 Next › Last » カテゴリー 家づくりのすすめ 伴東のライ麦畑 設計とは 体で感じる 思い出 デザイン 建築探訪 旅から 日々の生活 木について まちについて 空間づくりのヒント やりたいこと 家について 本の紹介 街の風色 ブログ記事一覧 新築 増築 減築 乙島の浜(壱岐) 料亭三宜楼見学 モクヨンビル見学記 玄関の広さ
大崎上島ちゃり旅 竹原港からからフェリーに乗り白水港へ 大崎上島初上陸 観光案内書でちゃりを借りて 34.5キロの島一周にチャレンジ 島の大きさを体感しました 高低差から平地・山を 食べ物をさがして商業地を 風景をみて産業を この島で多く見かけたのは まずは港でした 七つの港でしまなみ海道ともとびしま海道ともつながっています 島から島への旅を楽しめそうです 次に造船所 木造船の時代から造船業で島が栄えたようです 囲いもなく船がつくられる光景を見ることができます 造船業の栄華の部分がほんの少しだけ残っていて 木江の街に高層の木造建築が 写真は五層の木造建築です 従業員のアパートだったのでしょうか 東京の同潤会アパートを思い出すような建築も残ってました 再生すればここも観光の拠点にできそうです 回周道路のまわりには 柑橘の木々にオレンジや黄色が 山を見上げれば 石切り場が 石をつかった造形物も見つけることができました 小学校の社会科の授業であった 地図を読む そんな時間でした 2024/02/29 コ・デザイン 「コ・デザイン」 デザインすることをみんなの手に 上平崇仁著 この本でやっと自分の設計作業にフィットする言葉を見つけたと感じました 20年前からレフトハンズの看板に書いている「家をつくろう」という言葉は 家は住み手と共同でデザインされるべきだという信念から生まれました 設計するすべてのプロセスに住み手が参加するように心がけてきました デザイナーにつくってもらう デザイナー住宅を買うとは違う 家を設計・建設・住まうのプロセスを大切にする設計スタンス 「Co Design」は日本語で協同デザインという意味です デザインのあり方について 本の表紙のゴミ箱を一例として紹介されています デンマークのコペンハーゲンの街中にあるゴミ箱のイラストです デンマークではゴミの分別が行われておらず、すべてのゴミが一緒に捨てられます リサイクルを推進するために「パント」と呼ばれるデポジットの仕組みがあります パントは購入時に1本あたり1クローナの余分な支払いをし、空き缶を返却するとその代金が戻ってくる仕組みです ゴミを集めて換金する生活をする人が腕まくりしてゴミ箱をあさるのは人間としてはいかがなものかと感じたある若者が ゴミ箱にちょっとした仕組みを施す提案をしました ゴミ箱の脇に後後付けのような小さな棚がつけたのです つまり不用意に捨てないための置き場づくりをして誰かへの小さな贈り物をしていることに このデザインにより換金せざるを得ない人々が尊厳を保ちながら、まち全体でリサイクルが促進され、空き缶の廃棄が減少する成功例となったそうです このエピソードは、デザインが形や色だけでなく、社会的な問題を解決する手段であることを示す例として書かれています 本のはじめにの文章に挿入されているエピソードから 「手作りのアップルジュース試飲できます」というキャッチコピーに惹かれ、著者が家族と一緒にそのブースで体験されたお話 リンゴを刻んで絞り、ジュースを作るプロセスが一連の流れで見えるようになっていて、参加者たちは自分でジュースを作り、その過程でコミュニケーションが生まれていたとのこと このイベントは、コペンハーゲンで行われたカルチャーナイトの一環で、デンマークの社会性を反映しています ジュースの生産装置は極めてこの国らしい仕組みに基づいていることがわかります ・貢献すれば誰もが親しく扱われる平等性 ・物事が進んでいく因果関係を見えるようにする透明性 ・見ず知らずの人でも協力し合う信頼性 ・それを遊び心を持って仕組みが一緒に取り組めるようにする共同性 社会的な約束が経験的に学べる場があり、社会の中に溶け込んだデザインが人々の行動を形作ることを示すれいとしてあげられています 私は幼い頃から文字のフォントや包装紙の模様、ファッションに興味を持ってきました デザインという言葉にはあこがれがあります 最近のデザインという言葉へのの安易な扱いには、少々嫌悪感を持ちます 安価なマーケティング手法としてのデザインは、その本来持つべき価値を失わせるものだと感じるからです 私が進んだ建築科で、デザインの本質について学ぶことができました デザインは形や色だけでなく、使い手の生活や環境と深く結びついていることなどです 家を協同で設計し、住み続ける人がその空間を理解することで、社会空間全体のデザインに対する視点も養われていきます 家は単なる建物ではなく、そこで暮らす人々の生活やコミュニティを形作る大切な要素なのだから ぜひ コ・デザイン をいろんな場所で これからの日本の環境をデザインしていきましょう 2024/02/20 木目プリント 木目プリントが使われる理由について考えたことがありますか? 本物の木ではなく、木目がプリントされたシートが目にすることがあります なぜこの素材が選ばれるのか、私も疑問に思っていました シートだったら単色でも良いのではないかと 最近、その理由に気づきました それは、新しい素材に対する抵抗を減らすための仕掛け 昔は木の床が主流でした 次に、薄い木の板を張った突板床板が一般的になりました。 そして今、シート張りへと変遷しています シートになってもなお、木目を使うのは、 惰性のデザインなのだと思うにいたりました コンクリート打放しのような壁紙 タイルのようなサイディング材 なんちゃってデザインともちょっと違う 素材について考えることもなく 家を購入してしまうのはなぜでしょうか 視覚の他に 触感でものを選ぶことをやめたのでしょうか 実家の2階の床板の張り替え 自分たちでDIY 素材は厚さ15ミリのウォールナット 家具などを置くには硬くてよい木です 傷がついても気にならない 実家を新築した昭和43年頃の 突板張りのデザインされたフローリング 今では珍しいですが さすがに50年を超えるとところどころ剥がれてきます 2020年に床板張替の足元のリノベーションを 2023年へのリノベーションへつながりました tree to floor 2024/02/09 建築確認申請 市街地で新築で建物を建てる時等は 建築確認申請が必要です 建築主は役所等に提出しなければいけません 知っていましたか 私たち建築士は代願をしている立場です また申請通りに建物が建っているかどうか 審査を受けて検査済書をうけとらなければ 建ってる建物は違法建築物となります 実家を改装した時も確認済書はありましたが 検査済証はありませんでした 当時の流れなのか太平住宅さんが審査を受けなかったのですが 施主にそのことを知らしていたでしょうか ノーだと思います 私は事務所をかまえたころ25年前から 全ての建物で検査済みをとってきているといいたいとこですが 一軒だけ工務店さんからの依頼で検査済みとらなかった建物あります 建築基準法が昭和25年に制定されてから その時からずっと検査済証は必須でしたが 工務店や建築士がお施主さんからの要望がないのをいいことに そのままにしていた状況 空き家利用の時はどのように対応していくべきか論議がひつようでは 2024/02/09 フィリップ・ジョンソン邸へ行こう 表紙買いした雑誌を 久々に手に取り読んでみました 写真の『ガラスの家』という住宅作品は 好きな住宅として学生の時にあげていたもの ・フィリップ・ジョンソン 先生 ・中村好文 先生 買いますと * * * この住宅は 設計者の週末の隠れ家であり 鉄とガラスでできた小屋である 内部に壁は存在せずガラスで作られた箱の中の空間は感覚的には一つの大きなホールである 私が気に入った1つ目の理由は この大きなホールを家具やオブジェの配置によっていくつかの領域に自然に分かれていることである 無理やり用途によって細々と分けないところである ジョンソンの言葉で言うなら 家具の配置で部屋や通路の役割を果たしている空間の領域やボリュームを自然と浮かび上がらせている点である 2つ目の理由は単純な構造ではあるけれど日本にもある箱物建築などと比べてどこか色気があるところである 装飾もたいして施されていないのにどことなく感じられる設計者の美的センスである 規則的な中に見てとれる何かである ここでは屋根を突き抜けて 垂直に伸びる円形の塔がそう感じさせる一番のものである 日頃は装飾過剰な建物を見ることが多かったのでシンプルながらも内容のある住宅に魅了された * * * 大学2年生の時の課題で私が写真と図面からの家の感想です この雑誌のガイド役は建築家の中村好文先生 1974年に出版されたこの本で「ガラスの家」に出会ったそうです 「床から立ち上がった円筒は、その床に敷いてあるのと同じレンガからできていて、この家の主にモチーフとなっている。これはミースに由来するものではなく、私がかつて見た火事で焼かれて基礎とレンガの煙突だけ残った木造の農家のすがたから導き出されたからである。」 本のなかの説明に詩的なものを感じこころ揺さぶられたそうです フィリップ・ジョンソン先生は莫大な財産を受け継いだ建築家でありながら MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキューレーターであり 抽象絵画のコレクターでした 建物だけをみて設計者のことまで気にせずにいた大学二年生の自分と 今の自分をつないでくれた大切な建物が『ガラスの家』 家具で仕切られた空間の作り方は日本のつい立てや床の高さで空間を分ける日本的な部分も感じられ 魅了された煙突の位置や形はモンドリアンなどの抽象絵画の画家の影響を受けていることも今ならわかります さらに言えば、この家は広大な敷地に建つ9個の建物の一つに過ぎないということ 機能は部屋ごとでなく建物ごとに分けてあることにおどろき そのことを気にもしてなかった自分におどろきました ガイドの中村好文先生の文章で案内されるそれぞれの建物 意味があり実験をしている過程のすべてが人生 ガラスの家で息をひきとったフィリップ・ジョンソン 建築家の生涯かたる素敵な作品とともに天国へ なんて詩的な締めくくりだろう 読みごたえのある雑誌です ぜひ一読あれ 私は「ガラスの家」を見にいつかアメリカに行くことに決めました 2024/02/01 ショートトリップ いつもは慣れ親しんだ高速道路を使って福山方面へ出かけることが多い私。 今回は下道でのドライブを楽しんでみました。 その結果、知らなかったことがたくさん詰まった素晴らしい旅になりました。 写真は石積みが美しい三原城址 実際に足を運んでみると、三原城址には、JR構内からアクセスすることに 三原駅が実際にお城の境内にあることも驚きでした 新幹線から見慣れていた福山城 お城の中で乗馬や火縄銃の体験 また北側の福寿会館のお庭から新しいお城の姿を楽しむことができました 鉄板張りの北側壁面 絵画のような白と黒のコントラストが印象的 前から知っている面(白) 今回知ることができた面(黒) 知らなかったことや 知っているつもりだったことがたくさんあるなーと年始に 身近な場所にも新しい発見がたくさん広がっていることを改めて実感しました 今年は身近ないろんなところに出かけ、見分を広めたいと思います 2024/01/31 ‹ Previous 1 2 3 4 5 6 7 Next › Last » カテゴリー 家づくりのすすめ 伴東のライ麦畑 設計とは 体で感じる 思い出 デザイン 建築探訪 旅から 日々の生活 木について まちについて 空間づくりのヒント やりたいこと 家について 本の紹介 街の風色 ブログ記事一覧 新築 増築 減築 乙島の浜(壱岐) 料亭三宜楼見学 モクヨンビル見学記 玄関の広さ
コ・デザイン 「コ・デザイン」 デザインすることをみんなの手に 上平崇仁著 この本でやっと自分の設計作業にフィットする言葉を見つけたと感じました 20年前からレフトハンズの看板に書いている「家をつくろう」という言葉は 家は住み手と共同でデザインされるべきだという信念から生まれました 設計するすべてのプロセスに住み手が参加するように心がけてきました デザイナーにつくってもらう デザイナー住宅を買うとは違う 家を設計・建設・住まうのプロセスを大切にする設計スタンス 「Co Design」は日本語で協同デザインという意味です デザインのあり方について 本の表紙のゴミ箱を一例として紹介されています デンマークのコペンハーゲンの街中にあるゴミ箱のイラストです デンマークではゴミの分別が行われておらず、すべてのゴミが一緒に捨てられます リサイクルを推進するために「パント」と呼ばれるデポジットの仕組みがあります パントは購入時に1本あたり1クローナの余分な支払いをし、空き缶を返却するとその代金が戻ってくる仕組みです ゴミを集めて換金する生活をする人が腕まくりしてゴミ箱をあさるのは人間としてはいかがなものかと感じたある若者が ゴミ箱にちょっとした仕組みを施す提案をしました ゴミ箱の脇に後後付けのような小さな棚がつけたのです つまり不用意に捨てないための置き場づくりをして誰かへの小さな贈り物をしていることに このデザインにより換金せざるを得ない人々が尊厳を保ちながら、まち全体でリサイクルが促進され、空き缶の廃棄が減少する成功例となったそうです このエピソードは、デザインが形や色だけでなく、社会的な問題を解決する手段であることを示す例として書かれています 本のはじめにの文章に挿入されているエピソードから 「手作りのアップルジュース試飲できます」というキャッチコピーに惹かれ、著者が家族と一緒にそのブースで体験されたお話 リンゴを刻んで絞り、ジュースを作るプロセスが一連の流れで見えるようになっていて、参加者たちは自分でジュースを作り、その過程でコミュニケーションが生まれていたとのこと このイベントは、コペンハーゲンで行われたカルチャーナイトの一環で、デンマークの社会性を反映しています ジュースの生産装置は極めてこの国らしい仕組みに基づいていることがわかります ・貢献すれば誰もが親しく扱われる平等性 ・物事が進んでいく因果関係を見えるようにする透明性 ・見ず知らずの人でも協力し合う信頼性 ・それを遊び心を持って仕組みが一緒に取り組めるようにする共同性 社会的な約束が経験的に学べる場があり、社会の中に溶け込んだデザインが人々の行動を形作ることを示すれいとしてあげられています 私は幼い頃から文字のフォントや包装紙の模様、ファッションに興味を持ってきました デザインという言葉にはあこがれがあります 最近のデザインという言葉へのの安易な扱いには、少々嫌悪感を持ちます 安価なマーケティング手法としてのデザインは、その本来持つべき価値を失わせるものだと感じるからです 私が進んだ建築科で、デザインの本質について学ぶことができました デザインは形や色だけでなく、使い手の生活や環境と深く結びついていることなどです 家を協同で設計し、住み続ける人がその空間を理解することで、社会空間全体のデザインに対する視点も養われていきます 家は単なる建物ではなく、そこで暮らす人々の生活やコミュニティを形作る大切な要素なのだから ぜひ コ・デザイン をいろんな場所で これからの日本の環境をデザインしていきましょう 2024/02/20 木目プリント 木目プリントが使われる理由について考えたことがありますか? 本物の木ではなく、木目がプリントされたシートが目にすることがあります なぜこの素材が選ばれるのか、私も疑問に思っていました シートだったら単色でも良いのではないかと 最近、その理由に気づきました それは、新しい素材に対する抵抗を減らすための仕掛け 昔は木の床が主流でした 次に、薄い木の板を張った突板床板が一般的になりました。 そして今、シート張りへと変遷しています シートになってもなお、木目を使うのは、 惰性のデザインなのだと思うにいたりました コンクリート打放しのような壁紙 タイルのようなサイディング材 なんちゃってデザインともちょっと違う 素材について考えることもなく 家を購入してしまうのはなぜでしょうか 視覚の他に 触感でものを選ぶことをやめたのでしょうか 実家の2階の床板の張り替え 自分たちでDIY 素材は厚さ15ミリのウォールナット 家具などを置くには硬くてよい木です 傷がついても気にならない 実家を新築した昭和43年頃の 突板張りのデザインされたフローリング 今では珍しいですが さすがに50年を超えるとところどころ剥がれてきます 2020年に床板張替の足元のリノベーションを 2023年へのリノベーションへつながりました tree to floor 2024/02/09 建築確認申請 市街地で新築で建物を建てる時等は 建築確認申請が必要です 建築主は役所等に提出しなければいけません 知っていましたか 私たち建築士は代願をしている立場です また申請通りに建物が建っているかどうか 審査を受けて検査済書をうけとらなければ 建ってる建物は違法建築物となります 実家を改装した時も確認済書はありましたが 検査済証はありませんでした 当時の流れなのか太平住宅さんが審査を受けなかったのですが 施主にそのことを知らしていたでしょうか ノーだと思います 私は事務所をかまえたころ25年前から 全ての建物で検査済みをとってきているといいたいとこですが 一軒だけ工務店さんからの依頼で検査済みとらなかった建物あります 建築基準法が昭和25年に制定されてから その時からずっと検査済証は必須でしたが 工務店や建築士がお施主さんからの要望がないのをいいことに そのままにしていた状況 空き家利用の時はどのように対応していくべきか論議がひつようでは 2024/02/09 フィリップ・ジョンソン邸へ行こう 表紙買いした雑誌を 久々に手に取り読んでみました 写真の『ガラスの家』という住宅作品は 好きな住宅として学生の時にあげていたもの ・フィリップ・ジョンソン 先生 ・中村好文 先生 買いますと * * * この住宅は 設計者の週末の隠れ家であり 鉄とガラスでできた小屋である 内部に壁は存在せずガラスで作られた箱の中の空間は感覚的には一つの大きなホールである 私が気に入った1つ目の理由は この大きなホールを家具やオブジェの配置によっていくつかの領域に自然に分かれていることである 無理やり用途によって細々と分けないところである ジョンソンの言葉で言うなら 家具の配置で部屋や通路の役割を果たしている空間の領域やボリュームを自然と浮かび上がらせている点である 2つ目の理由は単純な構造ではあるけれど日本にもある箱物建築などと比べてどこか色気があるところである 装飾もたいして施されていないのにどことなく感じられる設計者の美的センスである 規則的な中に見てとれる何かである ここでは屋根を突き抜けて 垂直に伸びる円形の塔がそう感じさせる一番のものである 日頃は装飾過剰な建物を見ることが多かったのでシンプルながらも内容のある住宅に魅了された * * * 大学2年生の時の課題で私が写真と図面からの家の感想です この雑誌のガイド役は建築家の中村好文先生 1974年に出版されたこの本で「ガラスの家」に出会ったそうです 「床から立ち上がった円筒は、その床に敷いてあるのと同じレンガからできていて、この家の主にモチーフとなっている。これはミースに由来するものではなく、私がかつて見た火事で焼かれて基礎とレンガの煙突だけ残った木造の農家のすがたから導き出されたからである。」 本のなかの説明に詩的なものを感じこころ揺さぶられたそうです フィリップ・ジョンソン先生は莫大な財産を受け継いだ建築家でありながら MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキューレーターであり 抽象絵画のコレクターでした 建物だけをみて設計者のことまで気にせずにいた大学二年生の自分と 今の自分をつないでくれた大切な建物が『ガラスの家』 家具で仕切られた空間の作り方は日本のつい立てや床の高さで空間を分ける日本的な部分も感じられ 魅了された煙突の位置や形はモンドリアンなどの抽象絵画の画家の影響を受けていることも今ならわかります さらに言えば、この家は広大な敷地に建つ9個の建物の一つに過ぎないということ 機能は部屋ごとでなく建物ごとに分けてあることにおどろき そのことを気にもしてなかった自分におどろきました ガイドの中村好文先生の文章で案内されるそれぞれの建物 意味があり実験をしている過程のすべてが人生 ガラスの家で息をひきとったフィリップ・ジョンソン 建築家の生涯かたる素敵な作品とともに天国へ なんて詩的な締めくくりだろう 読みごたえのある雑誌です ぜひ一読あれ 私は「ガラスの家」を見にいつかアメリカに行くことに決めました 2024/02/01 ショートトリップ いつもは慣れ親しんだ高速道路を使って福山方面へ出かけることが多い私。 今回は下道でのドライブを楽しんでみました。 その結果、知らなかったことがたくさん詰まった素晴らしい旅になりました。 写真は石積みが美しい三原城址 実際に足を運んでみると、三原城址には、JR構内からアクセスすることに 三原駅が実際にお城の境内にあることも驚きでした 新幹線から見慣れていた福山城 お城の中で乗馬や火縄銃の体験 また北側の福寿会館のお庭から新しいお城の姿を楽しむことができました 鉄板張りの北側壁面 絵画のような白と黒のコントラストが印象的 前から知っている面(白) 今回知ることができた面(黒) 知らなかったことや 知っているつもりだったことがたくさんあるなーと年始に 身近な場所にも新しい発見がたくさん広がっていることを改めて実感しました 今年は身近ないろんなところに出かけ、見分を広めたいと思います 2024/01/31 ‹ Previous 1 2 3 4 5 6 7 Next › Last » カテゴリー 家づくりのすすめ 伴東のライ麦畑 設計とは 体で感じる 思い出 デザイン 建築探訪 旅から 日々の生活 木について まちについて 空間づくりのヒント やりたいこと 家について 本の紹介 街の風色 ブログ記事一覧 新築 増築 減築 乙島の浜(壱岐) 料亭三宜楼見学 モクヨンビル見学記 玄関の広さ
木目プリント 木目プリントが使われる理由について考えたことがありますか? 本物の木ではなく、木目がプリントされたシートが目にすることがあります なぜこの素材が選ばれるのか、私も疑問に思っていました シートだったら単色でも良いのではないかと 最近、その理由に気づきました それは、新しい素材に対する抵抗を減らすための仕掛け 昔は木の床が主流でした 次に、薄い木の板を張った突板床板が一般的になりました。 そして今、シート張りへと変遷しています シートになってもなお、木目を使うのは、 惰性のデザインなのだと思うにいたりました コンクリート打放しのような壁紙 タイルのようなサイディング材 なんちゃってデザインともちょっと違う 素材について考えることもなく 家を購入してしまうのはなぜでしょうか 視覚の他に 触感でものを選ぶことをやめたのでしょうか 実家の2階の床板の張り替え 自分たちでDIY 素材は厚さ15ミリのウォールナット 家具などを置くには硬くてよい木です 傷がついても気にならない 実家を新築した昭和43年頃の 突板張りのデザインされたフローリング 今では珍しいですが さすがに50年を超えるとところどころ剥がれてきます 2020年に床板張替の足元のリノベーションを 2023年へのリノベーションへつながりました tree to floor 2024/02/09 建築確認申請 市街地で新築で建物を建てる時等は 建築確認申請が必要です 建築主は役所等に提出しなければいけません 知っていましたか 私たち建築士は代願をしている立場です また申請通りに建物が建っているかどうか 審査を受けて検査済書をうけとらなければ 建ってる建物は違法建築物となります 実家を改装した時も確認済書はありましたが 検査済証はありませんでした 当時の流れなのか太平住宅さんが審査を受けなかったのですが 施主にそのことを知らしていたでしょうか ノーだと思います 私は事務所をかまえたころ25年前から 全ての建物で検査済みをとってきているといいたいとこですが 一軒だけ工務店さんからの依頼で検査済みとらなかった建物あります 建築基準法が昭和25年に制定されてから その時からずっと検査済証は必須でしたが 工務店や建築士がお施主さんからの要望がないのをいいことに そのままにしていた状況 空き家利用の時はどのように対応していくべきか論議がひつようでは 2024/02/09 フィリップ・ジョンソン邸へ行こう 表紙買いした雑誌を 久々に手に取り読んでみました 写真の『ガラスの家』という住宅作品は 好きな住宅として学生の時にあげていたもの ・フィリップ・ジョンソン 先生 ・中村好文 先生 買いますと * * * この住宅は 設計者の週末の隠れ家であり 鉄とガラスでできた小屋である 内部に壁は存在せずガラスで作られた箱の中の空間は感覚的には一つの大きなホールである 私が気に入った1つ目の理由は この大きなホールを家具やオブジェの配置によっていくつかの領域に自然に分かれていることである 無理やり用途によって細々と分けないところである ジョンソンの言葉で言うなら 家具の配置で部屋や通路の役割を果たしている空間の領域やボリュームを自然と浮かび上がらせている点である 2つ目の理由は単純な構造ではあるけれど日本にもある箱物建築などと比べてどこか色気があるところである 装飾もたいして施されていないのにどことなく感じられる設計者の美的センスである 規則的な中に見てとれる何かである ここでは屋根を突き抜けて 垂直に伸びる円形の塔がそう感じさせる一番のものである 日頃は装飾過剰な建物を見ることが多かったのでシンプルながらも内容のある住宅に魅了された * * * 大学2年生の時の課題で私が写真と図面からの家の感想です この雑誌のガイド役は建築家の中村好文先生 1974年に出版されたこの本で「ガラスの家」に出会ったそうです 「床から立ち上がった円筒は、その床に敷いてあるのと同じレンガからできていて、この家の主にモチーフとなっている。これはミースに由来するものではなく、私がかつて見た火事で焼かれて基礎とレンガの煙突だけ残った木造の農家のすがたから導き出されたからである。」 本のなかの説明に詩的なものを感じこころ揺さぶられたそうです フィリップ・ジョンソン先生は莫大な財産を受け継いだ建築家でありながら MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキューレーターであり 抽象絵画のコレクターでした 建物だけをみて設計者のことまで気にせずにいた大学二年生の自分と 今の自分をつないでくれた大切な建物が『ガラスの家』 家具で仕切られた空間の作り方は日本のつい立てや床の高さで空間を分ける日本的な部分も感じられ 魅了された煙突の位置や形はモンドリアンなどの抽象絵画の画家の影響を受けていることも今ならわかります さらに言えば、この家は広大な敷地に建つ9個の建物の一つに過ぎないということ 機能は部屋ごとでなく建物ごとに分けてあることにおどろき そのことを気にもしてなかった自分におどろきました ガイドの中村好文先生の文章で案内されるそれぞれの建物 意味があり実験をしている過程のすべてが人生 ガラスの家で息をひきとったフィリップ・ジョンソン 建築家の生涯かたる素敵な作品とともに天国へ なんて詩的な締めくくりだろう 読みごたえのある雑誌です ぜひ一読あれ 私は「ガラスの家」を見にいつかアメリカに行くことに決めました 2024/02/01 ショートトリップ いつもは慣れ親しんだ高速道路を使って福山方面へ出かけることが多い私。 今回は下道でのドライブを楽しんでみました。 その結果、知らなかったことがたくさん詰まった素晴らしい旅になりました。 写真は石積みが美しい三原城址 実際に足を運んでみると、三原城址には、JR構内からアクセスすることに 三原駅が実際にお城の境内にあることも驚きでした 新幹線から見慣れていた福山城 お城の中で乗馬や火縄銃の体験 また北側の福寿会館のお庭から新しいお城の姿を楽しむことができました 鉄板張りの北側壁面 絵画のような白と黒のコントラストが印象的 前から知っている面(白) 今回知ることができた面(黒) 知らなかったことや 知っているつもりだったことがたくさんあるなーと年始に 身近な場所にも新しい発見がたくさん広がっていることを改めて実感しました 今年は身近ないろんなところに出かけ、見分を広めたいと思います 2024/01/31 ‹ Previous 1 2 3 4 5 6 7 Next › Last » カテゴリー 家づくりのすすめ 伴東のライ麦畑 設計とは 体で感じる 思い出 デザイン 建築探訪 旅から 日々の生活 木について まちについて 空間づくりのヒント やりたいこと 家について 本の紹介 街の風色 ブログ記事一覧 新築 増築 減築 乙島の浜(壱岐) 料亭三宜楼見学 モクヨンビル見学記 玄関の広さ
建築確認申請 市街地で新築で建物を建てる時等は 建築確認申請が必要です 建築主は役所等に提出しなければいけません 知っていましたか 私たち建築士は代願をしている立場です また申請通りに建物が建っているかどうか 審査を受けて検査済書をうけとらなければ 建ってる建物は違法建築物となります 実家を改装した時も確認済書はありましたが 検査済証はありませんでした 当時の流れなのか太平住宅さんが審査を受けなかったのですが 施主にそのことを知らしていたでしょうか ノーだと思います 私は事務所をかまえたころ25年前から 全ての建物で検査済みをとってきているといいたいとこですが 一軒だけ工務店さんからの依頼で検査済みとらなかった建物あります 建築基準法が昭和25年に制定されてから その時からずっと検査済証は必須でしたが 工務店や建築士がお施主さんからの要望がないのをいいことに そのままにしていた状況 空き家利用の時はどのように対応していくべきか論議がひつようでは 2024/02/09 フィリップ・ジョンソン邸へ行こう 表紙買いした雑誌を 久々に手に取り読んでみました 写真の『ガラスの家』という住宅作品は 好きな住宅として学生の時にあげていたもの ・フィリップ・ジョンソン 先生 ・中村好文 先生 買いますと * * * この住宅は 設計者の週末の隠れ家であり 鉄とガラスでできた小屋である 内部に壁は存在せずガラスで作られた箱の中の空間は感覚的には一つの大きなホールである 私が気に入った1つ目の理由は この大きなホールを家具やオブジェの配置によっていくつかの領域に自然に分かれていることである 無理やり用途によって細々と分けないところである ジョンソンの言葉で言うなら 家具の配置で部屋や通路の役割を果たしている空間の領域やボリュームを自然と浮かび上がらせている点である 2つ目の理由は単純な構造ではあるけれど日本にもある箱物建築などと比べてどこか色気があるところである 装飾もたいして施されていないのにどことなく感じられる設計者の美的センスである 規則的な中に見てとれる何かである ここでは屋根を突き抜けて 垂直に伸びる円形の塔がそう感じさせる一番のものである 日頃は装飾過剰な建物を見ることが多かったのでシンプルながらも内容のある住宅に魅了された * * * 大学2年生の時の課題で私が写真と図面からの家の感想です この雑誌のガイド役は建築家の中村好文先生 1974年に出版されたこの本で「ガラスの家」に出会ったそうです 「床から立ち上がった円筒は、その床に敷いてあるのと同じレンガからできていて、この家の主にモチーフとなっている。これはミースに由来するものではなく、私がかつて見た火事で焼かれて基礎とレンガの煙突だけ残った木造の農家のすがたから導き出されたからである。」 本のなかの説明に詩的なものを感じこころ揺さぶられたそうです フィリップ・ジョンソン先生は莫大な財産を受け継いだ建築家でありながら MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキューレーターであり 抽象絵画のコレクターでした 建物だけをみて設計者のことまで気にせずにいた大学二年生の自分と 今の自分をつないでくれた大切な建物が『ガラスの家』 家具で仕切られた空間の作り方は日本のつい立てや床の高さで空間を分ける日本的な部分も感じられ 魅了された煙突の位置や形はモンドリアンなどの抽象絵画の画家の影響を受けていることも今ならわかります さらに言えば、この家は広大な敷地に建つ9個の建物の一つに過ぎないということ 機能は部屋ごとでなく建物ごとに分けてあることにおどろき そのことを気にもしてなかった自分におどろきました ガイドの中村好文先生の文章で案内されるそれぞれの建物 意味があり実験をしている過程のすべてが人生 ガラスの家で息をひきとったフィリップ・ジョンソン 建築家の生涯かたる素敵な作品とともに天国へ なんて詩的な締めくくりだろう 読みごたえのある雑誌です ぜひ一読あれ 私は「ガラスの家」を見にいつかアメリカに行くことに決めました 2024/02/01 ショートトリップ いつもは慣れ親しんだ高速道路を使って福山方面へ出かけることが多い私。 今回は下道でのドライブを楽しんでみました。 その結果、知らなかったことがたくさん詰まった素晴らしい旅になりました。 写真は石積みが美しい三原城址 実際に足を運んでみると、三原城址には、JR構内からアクセスすることに 三原駅が実際にお城の境内にあることも驚きでした 新幹線から見慣れていた福山城 お城の中で乗馬や火縄銃の体験 また北側の福寿会館のお庭から新しいお城の姿を楽しむことができました 鉄板張りの北側壁面 絵画のような白と黒のコントラストが印象的 前から知っている面(白) 今回知ることができた面(黒) 知らなかったことや 知っているつもりだったことがたくさんあるなーと年始に 身近な場所にも新しい発見がたくさん広がっていることを改めて実感しました 今年は身近ないろんなところに出かけ、見分を広めたいと思います 2024/01/31 ‹ Previous 1 2 3 4 5 6 7 Next › Last » カテゴリー 家づくりのすすめ 伴東のライ麦畑 設計とは 体で感じる 思い出 デザイン 建築探訪 旅から 日々の生活 木について まちについて 空間づくりのヒント やりたいこと 家について 本の紹介 街の風色 ブログ記事一覧 新築 増築 減築 乙島の浜(壱岐) 料亭三宜楼見学 モクヨンビル見学記 玄関の広さ
フィリップ・ジョンソン邸へ行こう 表紙買いした雑誌を 久々に手に取り読んでみました 写真の『ガラスの家』という住宅作品は 好きな住宅として学生の時にあげていたもの ・フィリップ・ジョンソン 先生 ・中村好文 先生 買いますと * * * この住宅は 設計者の週末の隠れ家であり 鉄とガラスでできた小屋である 内部に壁は存在せずガラスで作られた箱の中の空間は感覚的には一つの大きなホールである 私が気に入った1つ目の理由は この大きなホールを家具やオブジェの配置によっていくつかの領域に自然に分かれていることである 無理やり用途によって細々と分けないところである ジョンソンの言葉で言うなら 家具の配置で部屋や通路の役割を果たしている空間の領域やボリュームを自然と浮かび上がらせている点である 2つ目の理由は単純な構造ではあるけれど日本にもある箱物建築などと比べてどこか色気があるところである 装飾もたいして施されていないのにどことなく感じられる設計者の美的センスである 規則的な中に見てとれる何かである ここでは屋根を突き抜けて 垂直に伸びる円形の塔がそう感じさせる一番のものである 日頃は装飾過剰な建物を見ることが多かったのでシンプルながらも内容のある住宅に魅了された * * * 大学2年生の時の課題で私が写真と図面からの家の感想です この雑誌のガイド役は建築家の中村好文先生 1974年に出版されたこの本で「ガラスの家」に出会ったそうです 「床から立ち上がった円筒は、その床に敷いてあるのと同じレンガからできていて、この家の主にモチーフとなっている。これはミースに由来するものではなく、私がかつて見た火事で焼かれて基礎とレンガの煙突だけ残った木造の農家のすがたから導き出されたからである。」 本のなかの説明に詩的なものを感じこころ揺さぶられたそうです フィリップ・ジョンソン先生は莫大な財産を受け継いだ建築家でありながら MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキューレーターであり 抽象絵画のコレクターでした 建物だけをみて設計者のことまで気にせずにいた大学二年生の自分と 今の自分をつないでくれた大切な建物が『ガラスの家』 家具で仕切られた空間の作り方は日本のつい立てや床の高さで空間を分ける日本的な部分も感じられ 魅了された煙突の位置や形はモンドリアンなどの抽象絵画の画家の影響を受けていることも今ならわかります さらに言えば、この家は広大な敷地に建つ9個の建物の一つに過ぎないということ 機能は部屋ごとでなく建物ごとに分けてあることにおどろき そのことを気にもしてなかった自分におどろきました ガイドの中村好文先生の文章で案内されるそれぞれの建物 意味があり実験をしている過程のすべてが人生 ガラスの家で息をひきとったフィリップ・ジョンソン 建築家の生涯かたる素敵な作品とともに天国へ なんて詩的な締めくくりだろう 読みごたえのある雑誌です ぜひ一読あれ 私は「ガラスの家」を見にいつかアメリカに行くことに決めました 2024/02/01 ショートトリップ いつもは慣れ親しんだ高速道路を使って福山方面へ出かけることが多い私。 今回は下道でのドライブを楽しんでみました。 その結果、知らなかったことがたくさん詰まった素晴らしい旅になりました。 写真は石積みが美しい三原城址 実際に足を運んでみると、三原城址には、JR構内からアクセスすることに 三原駅が実際にお城の境内にあることも驚きでした 新幹線から見慣れていた福山城 お城の中で乗馬や火縄銃の体験 また北側の福寿会館のお庭から新しいお城の姿を楽しむことができました 鉄板張りの北側壁面 絵画のような白と黒のコントラストが印象的 前から知っている面(白) 今回知ることができた面(黒) 知らなかったことや 知っているつもりだったことがたくさんあるなーと年始に 身近な場所にも新しい発見がたくさん広がっていることを改めて実感しました 今年は身近ないろんなところに出かけ、見分を広めたいと思います 2024/01/31 ‹ Previous 1 2 3 4 5 6 7 Next › Last » カテゴリー 家づくりのすすめ 伴東のライ麦畑 設計とは 体で感じる 思い出 デザイン 建築探訪 旅から 日々の生活 木について まちについて 空間づくりのヒント やりたいこと 家について 本の紹介 街の風色 ブログ記事一覧 新築 増築 減築 乙島の浜(壱岐) 料亭三宜楼見学 モクヨンビル見学記 玄関の広さ
ショートトリップ いつもは慣れ親しんだ高速道路を使って福山方面へ出かけることが多い私。 今回は下道でのドライブを楽しんでみました。 その結果、知らなかったことがたくさん詰まった素晴らしい旅になりました。 写真は石積みが美しい三原城址 実際に足を運んでみると、三原城址には、JR構内からアクセスすることに 三原駅が実際にお城の境内にあることも驚きでした 新幹線から見慣れていた福山城 お城の中で乗馬や火縄銃の体験 また北側の福寿会館のお庭から新しいお城の姿を楽しむことができました 鉄板張りの北側壁面 絵画のような白と黒のコントラストが印象的 前から知っている面(白) 今回知ることができた面(黒) 知らなかったことや 知っているつもりだったことがたくさんあるなーと年始に 身近な場所にも新しい発見がたくさん広がっていることを改めて実感しました 今年は身近ないろんなところに出かけ、見分を広めたいと思います 2024/01/31 ‹ Previous 1 2 3 4 5 6 7 Next › Last » カテゴリー 家づくりのすすめ 伴東のライ麦畑 設計とは 体で感じる 思い出 デザイン 建築探訪 旅から 日々の生活 木について まちについて 空間づくりのヒント やりたいこと 家について 本の紹介 街の風色 ブログ記事一覧 新築 増築 減築 乙島の浜(壱岐) 料亭三宜楼見学 モクヨンビル見学記 玄関の広さ