木目プリント
![木目プリント](/wp-content/uploads/sk202405-4.jpg)
木目プリントが使われる理由について考えたことがありますか?
本物の木ではなく、木目がプリントされたシートが目にすることがあります
なぜこの素材が選ばれるのか、私も疑問に思っていました
シートだったら単色でも良いのではないかと
![木目プリント](/wp-content/uploads/sk202405-5.jpg)
最近、その理由に気づきました
それは、新しい素材に対する抵抗を減らすための仕掛け
昔は木の床が主流でした
次に、薄い木の板を張った突板床板が一般的になりました。
そして今、シート張りへと変遷しています
シートになってもなお、木目を使うのは、
惰性のデザインなのだと思うにいたりました
コンクリート打放しのような壁紙
タイルのようなサイディング材
なんちゃってデザインともちょっと違う
素材について考えることもなく
家を購入してしまうのはなぜでしょうか
視覚の他に
触感でものを選ぶことをやめたのでしょうか
![木目プリント](/wp-content/uploads/sk202405-1.jpg)
実家の2階の床板の張り替え
自分たちでDIY
素材は厚さ15ミリのウォールナット
家具などを置くには硬くてよい木です
傷がついても気にならない
![木目プリント](/wp-content/uploads/sk202405-2-rotated.jpg)
実家を新築した昭和43年頃の
突板張りのデザインされたフローリング
今では珍しいですが
さすがに50年を超えるとところどころ剥がれてきます
2020年に床板張替の足元のリノベーションを
2023年へのリノベーションへつながりました
tree to floor
2024/02/09
建築確認申請
![建築確認申請](/wp-content/uploads/sk202404-2.jpg)
市街地で新築で建物を建てる時等は
建築確認申請が必要です
建築主は役所等に提出しなければいけません
知っていましたか
私たち建築士は代願をしている立場です
また申請通りに建物が建っているかどうか
審査を受けて検査済書をうけとらなければ
建ってる建物は違法建築物となります
![建築確認申請](/wp-content/uploads/sk202404-1.jpg)
実家を改装した時も確認済書はありましたが
検査済証はありませんでした
当時の流れなのか太平住宅さんが審査を受けなかったのですが
施主にそのことを知らしていたでしょうか
ノーだと思います
私は事務所をかまえたころ25年前から
全ての建物で検査済みをとってきているといいたいとこですが
一軒だけ工務店さんからの依頼で検査済みとらなかった建物あります
建築基準法が昭和25年に制定されてから
その時からずっと検査済証は必須でしたが
工務店や建築士がお施主さんからの要望がないのをいいことに
そのままにしていた状況
空き家利用の時はどのように対応していくべきか論議がひつようでは
2024/02/09
フィリップ・ジョンソン邸へ行こう
![フィリップ・ジョンソン邸へ行こう](/wp-content/uploads/IMG_20240127_095228-scaled.jpg)
表紙買いした雑誌を
久々に手に取り読んでみました
写真の『ガラスの家』という住宅作品は
好きな住宅として学生の時にあげていたもの
・フィリップ・ジョンソン 先生
・中村好文 先生
買いますと
![フィリップ・ジョンソン邸へ行こう](/wp-content/uploads/IMG_20240127_095323-scaled.jpg)
* * *
この住宅は 設計者の週末の隠れ家であり
鉄とガラスでできた小屋である
内部に壁は存在せずガラスで作られた箱の中の空間は感覚的には一つの大きなホールである
私が気に入った1つ目の理由は
この大きなホールを家具やオブジェの配置によっていくつかの領域に自然に分かれていることである
無理やり用途によって細々と分けないところである
ジョンソンの言葉で言うなら
家具の配置で部屋や通路の役割を果たしている空間の領域やボリュームを自然と浮かび上がらせている点である
2つ目の理由は単純な構造ではあるけれど日本にもある箱物建築などと比べてどこか色気があるところである
装飾もたいして施されていないのにどことなく感じられる設計者の美的センスである
規則的な中に見てとれる何かである
ここでは屋根を突き抜けて 垂直に伸びる円形の塔がそう感じさせる一番のものである
日頃は装飾過剰な建物を見ることが多かったのでシンプルながらも内容のある住宅に魅了された
* * *
大学2年生の時の課題で私が写真と図面からの家の感想です
![フィリップ・ジョンソン邸へ行こう](/wp-content/uploads/IMG_20240127_095220-scaled.jpg)
この雑誌のガイド役は建築家の中村好文先生
1974年に出版されたこの本で「ガラスの家」に出会ったそうです
「床から立ち上がった円筒は、その床に敷いてあるのと同じレンガからできていて、この家の主にモチーフとなっている。これはミースに由来するものではなく、私がかつて見た火事で焼かれて基礎とレンガの煙突だけ残った木造の農家のすがたから導き出されたからである。」
本のなかの説明に詩的なものを感じこころ揺さぶられたそうです
フィリップ・ジョンソン先生は莫大な財産を受け継いだ建築家でありながら
MoMA(ニューヨーク近代美術館)のキューレーターであり
抽象絵画のコレクターでした
建物だけをみて設計者のことまで気にせずにいた大学二年生の自分と
今の自分をつないでくれた大切な建物が『ガラスの家』
家具で仕切られた空間の作り方は日本のつい立てや床の高さで空間を分ける日本的な部分も感じられ
魅了された煙突の位置や形はモンドリアンなどの抽象絵画の画家の影響を受けていることも今ならわかります
さらに言えば、この家は広大な敷地に建つ9個の建物の一つに過ぎないということ
機能は部屋ごとでなく建物ごとに分けてあることにおどろき
そのことを気にもしてなかった自分におどろきました
ガイドの中村好文先生の文章で案内されるそれぞれの建物
意味があり実験をしている過程のすべてが人生
ガラスの家で息をひきとったフィリップ・ジョンソン
建築家の生涯かたる素敵な作品とともに天国へ
なんて詩的な締めくくりだろう
読みごたえのある雑誌です
ぜひ一読あれ
私は「ガラスの家」を見にいつかアメリカに行くことに決めました
2024/02/01
ショートトリップ
![ショートトリップ](/wp-content/uploads/IMG_20240108_130058-scaled.jpg)
いつもは慣れ親しんだ高速道路を使って福山方面へ出かけることが多い私。
今回は下道でのドライブを楽しんでみました。
その結果、知らなかったことがたくさん詰まった素晴らしい旅になりました。
写真は石積みが美しい三原城址
実際に足を運んでみると、三原城址には、JR構内からアクセスすることに
三原駅が実際にお城の境内にあることも驚きでした
![ショートトリップ](/wp-content/uploads/IMG_20240108_095425.jpg)
新幹線から見慣れていた福山城
お城の中で乗馬や火縄銃の体験
また北側の福寿会館のお庭から新しいお城の姿を楽しむことができました
![ショートトリップ](/wp-content/uploads/IMG_20240108_101927.jpg)
鉄板張りの北側壁面
絵画のような白と黒のコントラストが印象的
![ショートトリップ](/wp-content/uploads/IMG_20240108_102100-scaled.jpg)
前から知っている面(白)
![ショートトリップ](/wp-content/uploads/IMG_20240108_101746.jpg)
今回知ることができた面(黒)
知らなかったことや
知っているつもりだったことがたくさんあるなーと年始に
身近な場所にも新しい発見がたくさん広がっていることを改めて実感しました
今年は身近ないろんなところに出かけ、見分を広めたいと思います
2024/01/31
タテタテヨコヨコ
タテタテヨコヨコという言葉を年始に聞いて
それから建築空間のなかでの
タテタテヨコヨコを考えはじめ
たては上空への広がり
よこは平面での広がりと理解
そうして欧州旅行写真を見ていると
いつも両方がわかりやすく存在していることに
気が付きました
フラット街を歩くだけで基本の構図が身につくように
![タテタテヨコヨコ](/wp-content/uploads/P1060838.jpg)
□トリエステ・イタリア統一広場
![タテタテヨコヨコ](/wp-content/uploads/P1060001.jpg)
□ドゥブロブニク ドミニコ会修道院へ
![タテタテヨコヨコ](/wp-content/uploads/P1080473.jpg)
□パリ セーヌ川とノートルダム大聖堂
![タテタテヨコヨコ](/wp-content/uploads/P1070605.jpg)
□リスボン コルメシオ広場と凱旋門
![タテタテヨコヨコ](/wp-content/uploads/P1070851.jpg)
□アゲダ アンブレラスカイ
夏の暑さを防ぐための傘だったそうですが
インスタ映えで有名になりましたが
傘が作り出す通りの空間 横の広がりと
傘から透けて見える空 縦の広がりが
このお祭りのすごいところだなーと思います
2024/01/31
原点
![原点](/wp-content/uploads/sk2024-5.jpg)
前にも書きましたが私の絵本以外の読書の記憶の始まりは
ロビンソン・クルーソー
この本の中でいろんなものがつくられていきますが
・住む場所を選び
・住まいをととのへ
・周辺の環境を学び
・船をつくり
・土器・パン・衣服をつくる
・友達と楽しく暮らす
その中でも家をつくる章をワクワクして読んだ覚えがあり
それが今の仕事につながっているのは間違いない
本を読んだ後遊びの中で
木の上に板を張ったツリーハウスにつながるものをつくったし
発砲スチロールの箱で船もつくって川に浮かべました
自分の得られる環境のなかで
最大限の自由を求めて
快適に暮らす場所を創造することが好きみたいです
今でも
あらためて思いました
2024/01/13
街どろぼう
![街どろぼう](/wp-content/uploads/sk2024-3.jpg)
ジャケットが気に入り買った本
巨人が家をつまんで高台に移動してくれる
一軒移動して住人に何が欲しいかと聞くと
「親戚の家も持ってきて」でした
家の物体がその場所から移動できないのか
人がその場所を離れられないのか
街は家でできているのか人でできているのか
その両方だと思います
その場所を気に入り家をつくり
ひととのつながりの中で生きていく
家の物体がどんなものであろうが関係ないのか
人のつながりは家族まで地域までなのか
TVで見ている地震を見て
お正月から考えがまとまりません
2024/01/13
ボリューム
![ボリューム](/wp-content/uploads/sk-094.jpg)
街散歩中に見つけた風景
平和公園から十日市にわたる橋から
川の先にはサッカー場
今までは川の向こうに山が見えていました
こうやって見ていると息詰まりそう
球技場のボリュームがいきなり街の中には
ちょっときつい
2023/11/25
memory of life
![memory of life](/wp-content/uploads/sk093.jpg)
食べ物・色・匂い
様々な思い出の扉がありますが
私の場合は空間の中での動きみたいなもので
ぼわーっとしたもので思い出します
物的に建物の思い出ではありません
今回改装したあさおか台の家
子供の頃のことは大半はこの家の敷地の中に
その場所を改修することで
いろんな思い出がよみがえりました
写真の和室洋間の2間続きの場所は
最初は祖父・祖母の生活空間
父親の葬儀をした場所
親族が集まりお祝いをするところ
これからは母がいつしか生活する場所に
それまでは昔使っていたものと
まったく同じロッキングチェアーと
大切にしまわれたアルバムたち
着古したものに愛着があるように
家には性能だけでは語れないものがあります
memory of life…
2023/10/20
塗るデニム
![塗るデニム](/wp-content/uploads/sk-092.jpg)
実家の改装
和室にデニムを塗ってみました
デニムの繊維が入った塗り壁です
デニム工場から廃棄される布を粉砕したものを壁に
この家を設計した父親がジーンズ好きだったこと
天井の布クロスが50年前から紺色なので
インスタで流れてきた広告を見てすぐ採用
色は少し調色して和室に合うように
既存の客間の家具と合わせてみました
2023/10/06